2015年10月7日水曜日

取材活動

前回書きましたアントレのコンペに関するお話です。ビジネスプランを具体化する際、市場にどのようなニーズ(unmet needs)があるのか、ビジネスプランがどのようにニーズに応えるのか、どのようなりソースを必要とするのかなど、まずはある程度骨子をまとめるようですが、次の段階で作成したビジネスプランが現実的なのか、市場の規模が十分なのかなどについて確かめる必要があります。ビジネスプランの授業ではビジネスプランをまとめる際、ターゲット層に取材すること(ある程度の数が必要)を強く推奨しております。そこで急遽、僕らも取材活動をすることになりました。

2週間で30件もの声を集めたのですが、MBA前に営業を経験していた僕はその大半を引き受けることになり、9月の後半、時間を見つけてはターゲットのお店を訪問して話を聞いておりました。取材した結果、マーケットサイズが十分でない結論になり、別のビジネスプランで攻めることになったのは残念でしたが、取材活動そのものはなかなか面白い経験でした。

今回僕が主に取材した先はカフェ、レストラン、ワイン専門店だったのですが、勤務をされている方々のお時間をいただくので、話せても数分しか時間が取れませんでした。そのため、限られた時間でつかみを取り、最低限抑えなければならないポイントを聞く必要があります(感覚としては時間の取れないMRの営業活動に近いかもしれません)。これまで経験してきたB to Bの営業とは違い、応接室には通されませんし、雑談して徐々に核心にせまるやり方は通じません。しかも使う言語も英語です。特に最初のうちは簡潔に話せず、余計な内容に時間を費やしてしまっておりました。

試行錯誤した結果、明るく挨拶すること、最初にお店のコンセプトやデザインについて質問してきっかけをつかむこと、以上2点だけは注意するよう心がけました。1年間海外に住んでみて改めてよくわかったのですが、挨拶が大事なのは世界共通です。むしろ日本以上に気をつける必要があるのではないかと思うことさえあります。特に今回のような短時間の取材では最初の導入部分でコケるわけにはいかないので気をつけました。最初にお店の質問をすることの狙いとしては、相手に自分が興味を持っていることを知ってもらうこと、相手の心のガードを下げること(いきなり本題のビジネストークをすると往々にして身構えられます)、自然とトークの展開に持っていることなどです。特に熱心な店員さんの場合、自分のお店のことを聞かれて喜ばないわけがありません。冗長に話す癖と最後まで悪戦苦闘しましたが、最初の導入部分は注意を払っておりましたので、最低限の話だけは聞くことができました。少しだけこちらで営業のような経験ができたのは素直によかったです。

もう一つ申し上げると、今回の経験でアントレの難しさも幾ばくか感じました。そもそも授業でアントレの成功率がざっくり2割程度ということ、うまくいった事業でさえ途中で軌道修正するケースが非常に多いことを聞いていたのですが、たしかに一筋縄ではいかないようです。

ちなみに今回の営業活動の副産物と言いましょうか、学校周辺のカフェにやたら詳しくなりました。今回はほぼホームグラウンドのダウンタウンに絞って営業活動をしましたが、お馴染みのスターバックス、Pret A Manageのほかにも 小規模のチェーン店や個人経営のカフェが点在しておりました。おそらく学校周辺数キロ圏内だけでも3桁ほどのお店があるようでして、しかもお店の雰囲気もバラエティーに富んでおります。余計な装飾を店内に施さず、シャープに店内をまとめるお店もあれば、絵画を飾ってアート感を全面に押し出すお店もあり、本当に様々です。デザインのコンセプトに関しても、デザイナー会社を雇ってきちんとしたブランディングのコンセプトを元にデザインされたお店もあれば、単にオーナーの趣味でデザインされたお店もありました。お店ごとに様々な個性があることを感じながら営業活動を楽しむことができましたし、カフェを見る視点が少し変わりました。

なお今回初めて知ったのですが、ダーティーチャイというチャイとエスプレッソを混ぜ合わせた飲み物がこの世に存在します。せっかくなので試してみたところ、微妙な味でした。本場インドの街角の屋台で飲む熱々のチャイが世界でいちばんおいしい飲み物だと思っている僕にとっては、エスプレッソの苦味がチャイの旨味を殺してしまったと感じます(そもそもこちらのチャイティーラテもクリームとシナモンが強すぎるのでそこまで好きではありません)。

とはいえ、今回の取材でニューヨークには素敵なカフェがあちこちにあることがよくわかりました。こちらへいらっしゃることがあれば、ぜひカフェ巡りもご検討ください。