2016年5月30日月曜日

卒業

5/20、マディソンスクエアガーデンで執り行われた卒業式を持って、とうとうMBAプログラムを卒業することになりました。MBAへの入学を目指してからちょうど4年、自分が卒業している今の立ち位置に実感を持てない自分がおります。

この2年間、全体的に満足のいくものでした。キャリアスイッチに成功したこと、また今後のキャリアに必要であろうハード、ソフトスキルのベースが積めたこと、それこそ世界中に友達ができたこと、などなど得られたものは大きいです。そのなかである意味最も何度もブログで触れております通り、昔に比べて自分に自信が持てるようになったことだと思っておりますので、今回はこの話に絞って書きたいと思います。

MBA入学前の5年間、化学メーカーでサプライチェーン、営業に携わっておりました。仕事付き合い以外では広い交友関係がございませんでしたので、今以上に当時は世間知らずでした。MBA合格後に出会った様々な業界の同級生に畏怖の念を抱いていたと言っても大げさではありませんでした。インターナショナルな経験についても、これまで仕事では日本以外では出張ベースで中国、東南アジアに行く程度でしたので、決して経験豊富なわけでもございませんでした。

そんな僕もMBAブログラムに入学しますと、強制イベントで様々な業界、業種から来た、多国籍からなる同級生と切磋琢磨するようになりました。ハード、ソフトスキルを一通り学びましたし、授業などを通じてこれまで訪問したことのない地域にも出向くこともできました。そのおかげで、ミスミグループの三枝会長の言葉を借りますと「見たことのある景色」がこれまでとは比べものにならないくらい広がったことを実感します。加えて、以前より「見たことのある景色」が増えたことで、昔に比べると徐々にですが落ち着いて、自信を持って日々を生きることができるようになりました。まだまだ自信を持っていいと友人から言われる僕ですので、現状に満足せず、引き続き精進したいと思います。

今回筆者がMBAプログラムを卒業するため、さらに言うとキリのいい100記事に無事到達したということで、今回の更新をもってブログを終了したいと思います。この2年間、楽しいことばかりではなく、悔しいこと、苦しいこともありましたが、様々な方々の支え、励ましのおかげもあり、無事に卒業の日を迎えることができました。今後は少しでもお返しすることができればと思います。これまでプログをご覧いただいた皆様、内容のない話にお付き合いいただきありがとうございました。

写真ですが、冬場にマンハッタンブリッジからロウア―マンハッタンを撮影したものです。これまで撮ったニューヨークの写真でいちばん気に入っております。

2年分の授業一覧

今回は2年間で取得した授業を俯瞰してみたいと思います。全て並べますと下記の通りです。

1年目夏学期】
Statistics (必修科目・3単位)
Collaboration Conflict & Negotiation (本来は選択科目・1.5単位)
Management Communication (本来は選択科目・1.5単位)

1年目秋学期】
Strategy(選択必修科目・3単位)
Foundation of Finance(選択必修科目・3単位)
Marketing(選択必修科目・3単位)
Financial Accounting & Reporting(必修科目・3単位)

1年目春学期】
Corporate Finance(選択科目・3単位)
Leadership in Organization(選択必修科目・3単位)
Global Strategy(選択科目・3単位)
Strategy with a Social Purpose(選択科目・3単位)
Operation Management OPS in NYC”(選択必修科目・3単位)

2年目秋学期】
Valuation(選択科目・3単位)
Managing Growing Companies(選択科目・3単位)
Foundation of Entrepreneurship(選択科目・3単位)
Brand Strategy(選択科目・3単位)
Global Social Impact Strategy(選択科目・3単位)

2年目春学期】
Managing Change(選択科目・3単位)
Digital Strategy(選択科目・3単位)
Power and Politics(選択科目・3単位)
Modeling Financial Statements(選択科目・3単位)
Professional Responsibility(必修科目・1.5単位)
DBi Morocco(選択科目・1.5単位)

63単位取得(3単位分を無料で取得可能のため)

結果的に2年目の秋学期まで入学時の予定に概ね沿ってManagement系を中心に授業を取ったのですが、最終学期は新たに興味を持った科目を重点的に取得しました。そのため、当校では最大3つまでSpecialization(メジャー)を取れるので、ぜひ3つ取得することを狙っておりましたが、最終学期に路線変更したため結果的にStrategyLeadership in Change Management2つになりました。

級生を見ますと、トリプルメジャーを取った同級生もいれば、メジャーを特に気にせず授業を取り、僕と同じように2つで終わった同級生もおります。メジャーの数をどうするか、という問いへの正解はありません。MBA後にどのようなキャリアを歩みたいのか、そのためにMBAでどのような授業、そしてメジャーを取るのか次第です。僕の場合はあくまで卒業までに取っておくべき授業を優先し、どのメジャーにするかは優先度を下げました。

ちなみに一つ僕が取った授業一覧を特徴づけるとすると、実際に授業で学んだことを実戦で使う、ハンズオン系の授業を1年目の春学期以降、必ず1つ入れていたことが挙げられます。これまでもブログで触れてきたので詳述は避けますが、実際に手を動かすことで学んだものを復習することもできましたし、どのように学んだものを実戦に落とし込むこともできましたし、業界や専攻が異なる同級生と組むことで多面的な視点を学ぶこともできましたので、僕にとっては大変有意義なものでした。

写真はNBA観戦のときのものです。最終的にNFL以外のアメリカ4大スポーツは全て試合観戦できました。

再び春学期の振り返り

これまで毎学期末ごとに学期の反省を記事についてアップしてきましたが、今学期は書くことが少なりつつあり、少々困っておりました。今学期のテーマは卒業後のキャリアに向けて準備すること、ニューヨークを満喫することだったのですが、こちらは既に他の記事で触れてしまっておりました。唯一今学期ならではのことで思いついた点として、ロジカルシンキングについて今学期改めて意識するようになったことです。

言わずもがなですが、例えばコンサルティングプロジェクトに従事する際、大量に情報をインプットする→情報を整理、構造化して根本原因を→打ち手を洗い出す→打ち手の効果を査定する→打ち手の優先順位づけをする、という順番で進めますが、その際にベースとなるロジックがしっかりしていないと元も子もございません。自分のなかでまたまだロジカルシンキングに改善の余地がありましたので、今学期は一つ自分のなかで重点的に気をつけるようにしておりました。

結局のところ今学期だけでどの程度改善できたのかは何とも言えませんが、少なくとも日ごろから考える癖がついたことだけでも小さな成長を得られたと思っております。受験時にGMATを受験することもあり、MBAプログラムでは学生にロジカルシンキングの力があることを前提にしているきらいがあるため、何を今更と思う方もいるかもしれませんが、出身業界、卒業後に行きたい業界によって元々のベースや目標にすべき水準が違うので、僕みたいにこの能力に実は課題を抱えている同級生もいるのではないかと思っております。実際に今学期取っている授業で、最終プレゼンを聞いていますと、少なからずロジックに綻びを抱えているものがございました。

その一方、授業でもロジカルシンキングについて扱うことは少ないと感じます。例えば、選択必修科目のStrategyでもフレームワークについては教わりますが、フレームワークの使い方がロジカルかどうかについてフィードバックを受ける機会は今思うと決して多くなかったと思います。教授からロジック自体に対して指摘を行うケースは僕の場合、あまりありませんでした。グループワークやプレゼンの機会でフィードバックを受ける機会を除くと、コンサルのケース面接ぐらいしか個人的にはこの能力を鍛える場が思いつきません。

話が逸れてしまいましたが、MBAのプログラムでは提供していないこともあるという一例を紹介できればと思い、書いてみました。ロジカルシンキングについては個人で問題意識を持って取り組むものでした。

写真は3月に観戦したNHLの試合です。

結局アメリカとは何か

申し訳ございません。更新が滞っているうちに卒業してしまいました。急いで卒業までにしたためる予定だった記事を複数アップ致します。

以下の内容はアメリカ人の友人とサシ飲みしたときの話と気づきを後日まとめたものですので、話半分で読んでください。

ニューヨークでMBA生活を送っておりますと、ニューヨークはアメリカのなかでも異質な都市であることを、ふとしたときに実感することがあります。(特にマンハッタンのなかで暮らしておりますと)車なしで生活が成り立ちますし、物価、不動産代が高いですし、メディア、金融、ラグジュアリー系のビジネスの中心地ですし、他の都市よりも明らかに人種のダイバーシティ―が広いですし、そもそも公園を除くとコンクリートジャングルですし…、といった具合です。例えばバスでニューアーク空港に向かう途中、トンネルを抜けてニュージャージー州に入るときでさえ、大げさかもしれませんが違う世界に入った感覚に陥ることがあるのです。

そんな話を先日、サシ飲みしたアメリカ人の同級生にぶつけてみました。ニューヨークという特殊な場所に住んでいると、アメリカについて理解できないままなのではないかと聞いてみたのです。

これまでアメリカ各地を転々としてきた彼の答えはこうでした。そもそもアメリカという国は広く、地域によって多様性があるので一緒くたにすることは難しいのと、アメリカ各地域が「自分たちの住む地域こそ典型的なアメリカだ」と考えるメンタリティーがあるので、アメリカっぽいことを定義するのは難しいそうです。アメリカが独立したときの13州だけで考えても、(分け方にもよりますが)ニューヨーク州の地域、ボストン州、周辺各州を含めた地域、ペンシルベニア州(この州も西と東で文化が異なるそうです)の地域、ワシントンDC周辺の地域で分けることができます。細かい話は失念してしまいましたが、各地域の文化、経済的な特徴は大きく異なりますし、構成される人種、各地域が抱えている課題も異なります。彼の話を聞いておりますと、暗にアメリカという国を一括りに考えなくてもいいのではないかと言っている様に聞こえました。

一方で改めて会話を振り返ると気がついたことがあります。僕が日本について聞かれたとき、おそらく同じような回答をするかもしれないということでした。例えば日本に長く暮らしておりますと、東京と大阪の違いはもちろん、東京から新幹線を使えば2時間以内で行ける名古屋、静岡、長野の違いも感覚的にイメージしやすいと思います。一方、Japan Trekで初めてきた同級生の場合、そもそも日本に関するバックグラウンドがないため、僕らが気づくような違いを拾うのはハードルが高かったりするのではないでしょうか。今思うとおそらくそれと同じようなことが僕に起こっていたと思われます。僕も通算7年間のアメリカ在住経験がありますが、ニューヨーク州でしか暮らしたことがありません。他のアメリカ地域についてのバックグラウンドをよく知らないこと、そのためアメリカ人に比べると地域性の違いに気がつきにくいこと、おそらくそのあたりが理由なのではないかと考えます。

以上の話をまとめますと、そもそもアメリカという国は地域によって多様性に富んでおり、一括りしづらい一方で、留学の2年間、同じ地域に住むだけではアメリカ各地の多様性、アメリカについての細かい地域差を理解することも難しそうです。少なくとも留学期間の間だけでは解けない問いだと自分では結論づけました。

心のモヤモヤを解いてくれた同級生には感謝です。写真はメトロポリタン美物館の一角です。

2016年5月5日木曜日

諸国漫遊@ニューヨーク

ニューヨークで興味深い点の一つとして、マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクスなど各地に移民街があることです。おそらく世界の大都市のなかで最も様々な国籍に触れられる場所の一つなのではないでしょうか。それぞれの地区に行けば、アメリカとは違う異国情緒な雰囲気に迷い込むことができます。

元々僕の趣味は旅行、食べ歩きでしたので、移民区巡りには興味がありました。そこでMBA2年目の期間を使い、ニューヨークにある主要移民街にあるレストランを食べ歩いてみることにしました。最後は力技になりましたが、本日ようやくターゲットの20カ所を巡ることができました。巡った場所は下記の通りです。

Brooklyn
Bay Ridge - Little Beirut
Brighton Beach - Little Odessa
Flatbush - Little West Indies
Greenpoint - Little Poland

Bronx
Belmont - Little Italy
Woodlawn - Little Ireland

Manhattan
East Harlem - Little Mexico
Greenwich Village - Little Britain
Harlem - Little Senegal
Midtown - Koreatown
Murray Hill - Curry Hill
Downtown - Chinatown
Downtown - Little Italy

Queen
Astoria - Little Athens
Astoria - Little Egypt
Flushing - New Chinatown
Jackson Height - Little India
Jackson Height - Little Latin America
Woodside & Sunnyside - A Little Melting Pot

全てコメントすると長くなりますので、今回は特に気に入った場所を数ヵ所紹介します。

Flatbush - Little West Indies

ブルックリンの果てにあるこの地区は、カリブ海諸国出身の方々が暮らしている地区です。地元のレストランへ行けばジャマイカ名物のジャークチキン、デリへ行けば料理に使う各種スパイスが販売されております。こちらではカリブ海風のシチューを堪能しました。レンズ豆、豚肉をスパイシーなバーベキューソースのようなソースで味付けした、B級グルメ感満載の料理でした。スパイシーな料理が好きな僕好みの味で、大満足でした。

Brighton Beach - Little Odessa

ブルックリンの果て、Coney Islandのビーチの近くにあるこの地区は、ロシア、ウクライナ系移民が昔から多く住む地区です。駅を降りると旧ソ連圏で見られるキリル文字で書かれた看板が目立ち、異国情緒溢れる地区です。歩いて行ける距離にビーチがありますので、ロシア料理を堪能した後は海沿いを散歩することもできます。こちらではビールストロガノフを堪能、久しぶりにロシアの味を思い出すことができました。

Jackson Heights – Little India / Little Latin America
Woodside & Sunnyside - A Little Melting Pot含む)

ニューヨークのなかである意味最もカオスで、異国情緒溢れる場所だと思います。Jackson Heightsだけでなく、WoodsideSunnysideにかけて多国籍地帯が広がっているイメージです。この地区では主にヒスパニック系の人々、加えてインド系などアジア諸国の人々なども暮らしている地区です。こちらではメキシコ料理屋の横にチベット料理屋、インド料理屋が並んでいるカオスな光景が見られます。地下鉄7号線沿いを歩いておりますと、車のカーステレオからラテンの音楽が流れているのが聞こえたりして、思いのほか明るい雰囲気の街でした。こちらではチベット料理のモモ(水餃子のようなもの)、メキシコのモーレ料理(チョコレートソースのかかった料理)などを楽しみました。

これだけの数を巡るのも楽ではなかったのですが、より規模の小さい移民区もカウントする場合、さらに行ける地区が増えると聞きます。もしニューヨークにいながら異国情緒を楽しみたくなりましたら、これらの移民区へ出掛けてみてはいかがでしょうか。写真はGreen PointとJackson Heightsです。


2016年4月30日土曜日

同級生が受講している春学期授業(2nd Spring)

同級生の協力により成立している当シリーズも、今回でラストを迎えました。僕個人が2年間で取った授業も含めると、おかげ様で主要な授業はおおよそカバーすることができました。同級生には感謝し切れません。

・Private Equity Finance(選択科目・3単位)

PEについて学びたい場合、当校ではこの授業を受講することになります。PEの概念的な話から始まり、Due DiligenceLBOのモデリング、ポートフォリオ、Exiting、どのように利益を分配すべきかなど、関連テーマを網羅します。課題やグループワークの負荷はかなり重く、毎週かなりの準備が必要とのことですが、一方で実戦的な内容で学ぶことが多く、満足度は高いそうです。同級生に言わせると、個人的にはベストの授業とのことでした。

Restructuring Firms and Industries(選択科目・3単位)

Law Schoolと共催されている当校の人気授業の一つです。株価という指標を使いながら、資本構造、金融取引に関する諸テーマについて学びます。テーマは多岐に渡り、M&A、ターンアラウンド、PE、会社の組織構造、LaborTake Over、スピンオフ、Activism、ファミリービジネスなど実に様々です。授業は最新のResearch Reportを使いながら、講義ベースで進められます。中間テスト(任意)と期末テストで基本評価されます。ちなみに学生の比率ですが、MBA生とLaw Schoolの学生がそれぞれ半々とのことでした。

・Trading in Cash and Derivative Securities(選択科目・3単位)

2名の教授が担当する、トレーディングについて学ぶ授業です。前半は学者肌の教授が担当し、Market Efficiency、Arbitrage、Technical Trading、Volatilityなどについて講義とゲストスピーカーによる講演で学んでいきます。一方、後半ではQuantsの部隊を経験している教授が担当し、実務的な内容にシフトします。ある与えられた条件の場合、いくら投資するか、リスクをどう管理するか、どう投資額をファイナンスするかなどについて、ケーススタディーをベースに学びます。宿題では与えられた条件を元に仮想トレーディングを行い、運用結果がよいかどうかで評価されます。

Advanced Strategy: Tools(選択科目・3単位)

グループワーク中心の戦略系の授業です。各グループはそれぞれある業界内でROICの高い会社をピックアップし、その会社が競合他社に比べてROICが高い理由についてファイナルプロジェクトでまとめます。流れとして、①どうしてROICが高いのか仮説を立てる、②バックグラウンドデータを集めて検証する、③先生と面接して進捗を確認する、というサイクルを何度か繰り返しながらプロジェクトを仕上げていきます。そのため、コンサルティングプロジェクトの内容にかなり近い印象を受けました。ちなみにこの授業、おそらく教授のキャラによるものだと思われますが、特にアメリカ人の同級生の受講率が高い人気の授業です。

Family Business Management(選択科目・3単位)

ファミリービジネスについて網羅的に学べるコースで、システムダイナミクス、ファイナンス、ガバナンスなど内容は多岐に渡ります。毎週ケース課題が出され、それを元にしたディスカッションを行いますが、この授業の特徴はそのあとにケースに登場している実際の人物のインタビューや講話がビデオで見られることです。そうしてケースにしっかり浸かった後に関連のセオリーが説明され、クラスが締めくくられます。フォーマットとして最も素晴らしく、学んだ手ごたえを感じさせられるクラスです、とのコメントをもらいました。

Corporate Governance(選択科目・3単位)

Law Schoolとの共催の授業で、授業名の通り、コーポレートガバナンスについて網羅する授業です。会社は誰のためにあるのか、というテーマから始まり、会社の取締役会の構造、DiversityCulture、対投資家、CSRなどの話について学んでいきます。内容的には2年目の必修科目であるProfessional Responsibilityとも一部オーバーラップしている印象です。学びは多い一方で授業の負荷は重く、毎週200ページ前後、リーディングとケースを読み込む必要があるので要注意です。最後はチーム、個人でプレゼンテーションを行い、評価されます。ちなみに同級生にとって印象的だったのは、教授がアメリカ以外の地域の最新事情についても明るく、授業中随時紹介していたことだったそうです。

The Strategist(選択科目・3単位)

Strategyのゲーム理論的な側面を学ぶために同級生が取りました。他人がいること、物事には常に2面性があることを前提に、Strategistとしてどのようなことを考え、行動すべきかについて学ぶそうですが、本人が学びたかったゲーム理論についてはあまり触れられなかったそうです。また、概念的なことが多かったそうですので、ケースを用いてガンガンディスカッションしたい人向けではなさそうでした。

Retail Strategy(選択科目・3単位)

リテール業界関連の戦略系の授業です。元コンサルテントの教授が展開する授業です。各授業の前半はケースディスカッションに充てられ、GAPMacy’sUNIQLOなどの会社の事例を議論することができます。後半の時間帯はゲストスピーカーのプレゼンテーションに充てられ、業界の最新事情を知ることができます。もちろんプレゼン後にスピーカーとconnectすることもできますので、特に卒業後にリテール業界に進みたい人にとってはおすすめできるそうです。夜間に開催される授業で、今まさにリテール業界に働いている同級生ともconnectできるのも大きな利点だそうです。

Pricing(選択科目・3単位)

MarketingEconomicsData AnalysisPsychologyの側面から、どのように価格を決定すべきかについて学ぶ授業です。授業中のexerciseなどでベースとなるFormula(モデル)を学ぶので、ハンズオン系の授業で実戦的であるとのコメントをいただきました。ちなみに今学期は日本人の教授が担当、ゆっくりとした語り口調と人柄で学生から好評な教授とのことでした。

Urban System(選択科目・3単位)

グループプロジェクトを通じて都市に関わる諸テーマを学ぶ授業です。授業の流れは、最近起こったニュースの話→リーディング→グループプロジェクトの順で、最後に毎週グループプロジェクトの進捗を報告し合います。リーディングでは世界の都市開発に関するケースを扱い、成功例、失敗例の両方を学びます。同級生はニューヨークのある地区の都市開発についてグループプロジェクトで調べることになったのですが、ニューヨークに関するデータは手に入りやすいため、プロジェクトの調査ははかどったそうです。同級生曰く、都市問題について何らかの問題意識がある、もしくは主体的に学びたいテーマがある方々への受講をおすすめするそうです。

Sports Economics(選択科目・3単位)

スポーツという分野に関する経済的側面を学ぶ授業で、ミクロ経済学の教授が担当しております。アメリカの主要スポーツとヨーロッパサッカーのビジネスを通じて、Management SystemLabor Marketなどの諸テーマを学び、グループプレゼンテーションと試験で評価されます。同級生がこの授業を取った理由としては、スポーツは経済の規模こそ小さいものの、人の心を掴むビジネスのなかで最たるものなので興味があったそうです。

Data Mining for Business Analytics(選択科目・3単位)

Predicting Modelingについて学べる授業です。生のデータからソフトウェアを使いながら必要なデータを抽出し、Modelingを行っていきます。毎週宿題が課されますが、教科書の内容をしっかりと理解しないと解けないため、宿題の事前準備、宿題の準備の両方で負荷が大きい授業とのことでした。一方ではグループプロジェクトもございます。MBAの同級生はあまりおらず、むしろデータサイエンスを扱っている他のプログラムの学生などが受講していたそうです。

Decision Making Under Uncertainty(選択科目・3単位)

一言で言うとOptimizationについてハンズオンで学ぶブートキャンプ的な授業です。最適化する対象はサプライチェーン、ポートフォリオなど様々です。最適化の数値はモデルに計算式に入れればはじき出せるらしいのですが、適切な計算式を入力しないと正しいデータを得られないそうで、状況に応じてどのような計算式を入力すべきかを学んでいきます。

Supply Chain Management(選択科目・3単位)

サプライチェーンについての概論を学ぶ授業です。サプライチェーン大好きな教授が展開する授業で、ケースディスカッションをベースにして(ZARAのケースなど)調達最適化について学んだり、Inventory Controlのシミュレーションに取り組んだり、サプライチェーンを構築するにあたり関税がどのように影響しているのか話を聞いたりしたそうです。あくまで概論について学ぶため、僕みたいに前職でサプライチェーンを扱っていた人間にとっては不要かもしれないとのコメントをもらいました。

写真については全く関係のない、グッゲンハイム美術館を載せてみました。

駆け込みでニューヨークを満喫している件

卒業まであと1ヶ月を切ってしまいましたが、おかげ様で元気にやっております。今週と来週のファイナル期間を終えると、同級生との最後の時間を楽しむ期間、Disorientationに入ります。僕はMBA卒業後に日本へ帰国しますので、帰国前に会いたい友人と積極的にランチ、ディナーに出掛けております。

本題に入ります。言うまでもないですが、ニューヨークでMBA生活を送るメリットとして、ニューヨークの観光、エンターテインメントを楽しもうと思えばこれでもかと味わえる点です。自由の女神やエンパイアステートビルディング、ブルックリンブリッジなどの建築物巡りのほか、ブロードウェイ、美術館巡り、スポーツ観戦、レストラン巡り…挙げればキリがありません。

昨年までは、セントラルパーク、ハドソン川沿い、イースト川沿い、ブルックリンブリッジなどの名所をランニングしながら巡ることができましたが、それ以外の観光名所巡りについてはそこまで力を入れていませんでした。せいぜいMBAのオリエンテーションや授業で自由の女神周辺へのボートツアー、オペラ巡り観覧に参加したのと、The Daily Showの収録観覧、NY Openでのテニス観戦、ヤンキーススタジアムでの野球観戦、Brooklyn Breweryビール工場巡り、Smorgasburgの屋台飯巡りをしたぐらいでした。ようやく今学期になってから駆け足で、NBANHLの試合観戦、MOMA、グッゲンハイム、メトロポリタンなどの美術館巡り、食べ歩きなど、ニューヨーク巡りに注力するようになりました。フェイスブックで今更になってニューヨーク各地の写真をアップしているのは、そんな事情からなのです。

今後ニューヨークへ留学、駐在される方々に教訓としてお伝えしたいのは、ぜひ積極的、もしくは計画的にニューヨーク巡りを楽しんでほしいということです。行こうと思えばいつでも行ける距離に観光名所があるため、僕はついつい先延ばしにしてしまいましたが、そもそもニューヨークはネタが豊富なのでそう簡単にネタ切れしません。後から回ると大変なので、行けるときにどんどん観光していいと思います。今思うと、特に最初の学期、ニューヨークに引っ越してきたばかりの同級生と惜しまずにガンガン観光すべきでした。

ちなみに食べ歩きについては、別記事で詳しく書きたいと思います。

2016年4月19日火曜日

春学期授業(2nd Spring)

遅くなりましたが、今学期の授業をまとめてみました。最後の紹介記事だと思うと感慨深いです。

Managing Change(選択科目・3単位)

企業変革(Change Management)に関する授業です。仮に企業が事業を方向転換しなければいかない場合、どのような戦略に変えるのが望ましいのか、また組織を変革に導きexecuteするためにはどのようなことを戦略に組み込まないといけないのかを学びます。授業は講義中心でケースディスカッションは少なめですので、ケースをゴリゴリやるのが好きな方にはお薦めできないかもしれません。最後にグループごとにアサインされた会社の戦略案についてファイナルプロジェクトでまとめます。負荷は重めです。今回のファイナルプロジェクトでIoTInternet of Things)に関わる各業界のメインプレーヤーが取り上げられますので、他グループの話を聞くことでIoTの動向についての理解が深まりそうです。

Digital Strategy(選択科目・3単位)

端的も言うとITリテラシーを上げるための授業です。Digital時代に入りビジネスがどのように変化してきているか、現在どのような新しいテクノロジーが世に出ている、もしくは出ようとしているのか、またGoogleなど業界のトップを走っている会社がどのように収益を上げているのか、などについて学びます。事前予習の分量はこれまで取った授業のトップで、毎週50100ページ以上の読み物(記事と教科書)が課せられます。僕はまさにITリテラシーを上げるためにこの授業を取ったので、読み物の内容は勉強になりましたが、一方で授業は事前課題の読み物の内容を説明する講義形式がメイン、あまり授業での収穫はありませんでした。HBSケースも1つ読んだだけで終わりそうですので、ケースディスカッションの比率を上げてほしいのが個人的な希望です。最後はグループで新しい技術、ビジネスをプレゼンして締めます。他グループの発表を聴くことで、ITリテラシーはたしかに上がりそうです。

Power & Politics(選択科目・3単位)

今学期のベスト授業でした。組織内の「政治」という力にフォーカスを置き、どのような力があるのか、またその力がどのように周囲に影響を及ぼしうるのかについて学ぶソフトスキル系の授業です。ハイテンションなインド人の教授が担当、ケースディスカッションとロールプレイングを中心に授業が展開され、中間と期末のTake Home Examで締められます。この授業を取ろうと思ったのは、前職でPoliticについて一切気にせず仕事をした結果、(自業自得ですが)色々と余計な苦労をしてしまった苦い経験があったからです。実際にコンセプトを学びますと、過去の様々な失敗について違う立ち回り方ができたことを発見することがかなりありました。自分の胸に突き刺さることが多かった分、MBA後のキャリアでも学んだことが残りそうな気がします。ちなみに失敗が多かった分、過去の失敗談を披露することでvalue(?)を提供する機会に恵まれたのは意外でした。

Modeling Financial Statements(選択科目・3単位)

前の学期に同級生が寄せたコメントをご覧ください。

Professional Responsibility(必修科目・1.5単位)

2年目に取らなければならない唯一の必修科目です。ざっくりな説明ですが、学生が今後キャリアで足を踏みまずさないために、どのようなタイプの違法行為、倫理的にアウトな行為があるのか、どのような形で過去足を踏みまずしたのかを学びます。倫理、法律に加え、心理学的な側面もタッチします。教授は過去何度もTEDで講演している有名人で、話し方、教え方の非常にうまい方でした。

DBi Morocco(選択科目・1.5単位)

以前記事を書きましたのでご覧ください。

今学期は講義系の授業の割合が多かったですが、僕個人としてはケースでゴリゴリやる授業の方が好きだと再実感しました。瞬間的に考えさせられることが多いのが理由です。とはいえ今学期はMBA卒業後を考えて学ぶべきテーマを優先して取りましたので、やむを得ない部分はありました。

また別記事で2年間に取った授業を俯瞰してみたいと思います。写真は2月にランニングで渡ったQueensboro Bridgeです。

2016年3月21日月曜日

DBi Morocco

今週はDBi Moroccoという海外研修プログラムの授業に参加しておりました。DBiは「Doing Business in」の略でして、滞在国のビジネススクールで授業を受ける、もしくは現地企業をビジットすることで、当地でのビジネスについて学ぶプログラムです。例年冬休み、春休み、春学期終了後(夏休みの初め)に1週間(1.5単位分)から2週間(3単位分)開催され、行き先はお主に中南米、ヨーロッパ、アジア諸国、イスラエル、オーストラリアなど10カ国以上から選ぶことができます。今回モロッコを選んだのは、昔から純粋に行ってみたかった国だったことに加え、おそらくビジネスで行く機会がなさそうだったから、またこれまでバックパッカー旅行で縁のあったイスラム諸国のビジネス面に少し触れてみたかったからでした。

DBi Morocco(選択授業・1.5単位)

今回のDBi Moroccoは、主に欧米諸国がアフリカに投資する際モロッコが今後どのような役割を果たせる可能性があるのか、というテーマでプログラムが組まれました。イスラムでのビジネスを学ぶつもりが、よりアフリカビジネスに重心を置いた内容を学ぶことになりました。ざっくりまとめますと、イスラム色の強いアラブ諸国と近からず遠からずの距離感を維持し、同じフランス語圏の西アフリカ諸国に金融、通信などのサービス業を進出させているモロッコは既にアフリカで独自の地位を確立しており、今後数十年間中間層の成長が見込まれるアフリカ諸国で投資を行う際の窓口になる潜在能力がある、という内容でした。授業は3時間のコマが月曜日から金曜日まで計6コマで、企業研修が2回ありました。事前課題の読み物は重ための内容でしたが、DBi Moroccoの期間中はそこまで負荷は高くなく、授業後は観光、ディナーに繰り出すことができました。事前課題、授業での発言、最終グループワークをもって評価されます。

当初期待していたイスラム圏のビジネスについてはあまり学べませんでしたが、一方でアフリカの各地域の特徴、アフリカ域内のビジネスの繋がり、モロッコという国の多様性、Entrepreneurshipの現状など、モロッコを旅行することだけでは学ぶことができなかった知見を得ることができました。また、参加者の半数がパートタイムの学生だったため、新しい交友関係も築くこともができました。この知見、繋がりがどのようにMBA後のキャリアに通じるのはわかりませんが、未体験の価値観に触れることでまた少し”confort zone”を広げることはできたと思います。

ちなみに、冬休み期間中にDBi Brazilに参加した同級生が別ブログに記事にアップしておりますので紹介します。併せて読んでいただくとDBiのイメージがより伝わると思います。

写真はマラケシュのスークです。

キリマンジャロ登山とバルセロナマラソン

早くも春学期の半分が過ぎ、あと2ヶ月以内にMBAプログラムを卒業する段階に差し掛かりました。春休みはDBi Moroccoというプログラムに参加しておりましたので、内容については別記事で改めて紹介します。

記事に書き起こすのが遅くなりましたが、実は2月にキリマンジャロ登山、先週末にバルセロナマラソンに挑戦してみました。せっかくこれまで2年間、ランニングやフルマラソンを継続しておりましたので、一度これまでとは趣向の違う体力的なチャレンジをしたかったのです。簡単にそれぞれまとめてみました。

キリマンジャロ登山をやろうと思ったきっかけは純粋な憧れからでした。テレビ番組「世界の果てからイッテQ」で観た山頂からの景色が印象的だったことに加え、僕をバックパッカー旅行にいざなってくれたある友人が5年前に登山したこともあり、いつかは登ってみたいと思っておりました。ここ2年間ランニングとジムでのトレーニングを続けておりましたので、今の自分なら行けるのではないかと根拠もなく思い込んだので、冬休みの最後の1週間を使っていくことにしました。

登山の拠点となるタンザニアのモシに到着した僕は、事前に当たりをつけていた旅行代理店に直行してその場でツアーを手配、その数時間後には登山を開始しました。今回は登山者にとって一般的な行程、45日でマランガルートを往復するツアーに参加し、4日目早朝のアタックで山頂に到着しました。山頂でご来光を拝むことにこだわってスピード重視で登った結果、山頂付近で高山病に苦しみましたが、ガイドの支えもあって無事登頂することができました。登山の結果、体重を数キロ落として体を絞ることができましたが、実際にマラソン対策になったのかは定かではありません。

一方、マラソンについてはMBA受験時代にお世話になったカウンセラーのマラソン談義に触発されたのがきっかけでした。ニューヨークに渡航した2014年夏あたりから徐々にランニングのおもしろさにとりつかれ、2014年の秋学期にはハーフマラソンを走破したのですが、フルマラソンについては中々タイミングが合いませんでした。そんななか、去年の秋にある友人からバルセロナマラソンに参加しないかと誘ってもらいました。DBi Moroccoの直前にバルセロナマラソンに参加できるということであまり深く考えず参加することにしました。

冬休みを挟んでいたこともありフルマラソンに向けた特別な準備を組むこと、まとまった距離を走ることはできませんでしたが、それでも毎週2030kmのランニングとジム通いだけは続けてフルマラソンに臨みました。ペース配分を考えずに走った結果、前半のハーフに2時間弱、後半のハーフに2時間40分強も費やしてしまいましたが、それでも途中で歩くことなく最後まで走ることができました。

あえて今回の2つのチャレンジの教訓を探すとしたら、事前準備の大切さと、とりあえず試すことの大切さでしょうか。特にフルマラソンで実感したのですが、今回はまとまった距離のランニングをあまりできずに参加した結果、後半のハーフでふくらはぎの痛みと戦うことになりました。事前にハーフ、30kmのランニングを複数回しっかり行うことができれば、おそらく後半そこまでペースダウンせずに済んだと思います。一方で、キリマンジャロ登山のように実際に登ってみないと、体が高地にどのように反応するかわからないものもあると思います。必要な準備はできる限りすることが前提ですが、あまり完璧主義にならず飛び込んでみることも一方で忘れずにいたいと思います。実際に今回チャレンジしたことで、自分が高地にどの程度適応できるか、また自分の体のどこが現在ウィークポイントなのかよく知ることができました。

一方で再実感したこととしては、目の前の一歩を大切にすることでした。特にキリマンジャロ登山の場合、未体験の高度をゆっくり4日かけて頂上に登るため、目標に近づいていることを感じにくかったのですが、それでも目の前の一歩をコツコツ積み上げることで、最後に頂上に辿り着くことができました。ふと振り返ったとき、「いつの間にこんな高く登ったのか」と何度も思ったものです。

ちなみにですが、フルマラソンデビューにバルセロナマラソンはおすすめできそうです。2.5kmごとに給水ポイントとトイレがあるなどサポート体制が整っておりましたし、バルセロナの観光名所を巡れるルートを巡ることができました。天気や沿道の観客の温かい応援にも恵まれました。またどこかのタイミングで欧州のフルマラソンに参加できればと思います。

写真はキリマンジャロ登山とバルセロナマラソンのものです。


2016年2月17日水曜日

ミャンマー

MBAの同級生が2年目の冬休みをどのように過ごしたのか、備忘のため残したいと思います。

今年の冬休みを東南アジアで過ごす同級生が非常に多かったです。パターンとして多かったのは、1ヶ月間まるまる東南アジアで過ごすパターン、DBi SingaporeHong KongSydneyに年始から2週間参加し(3単位扱い)、さらに2週間東南アジアで過ごすパターンが多かったです。東南アジアでの過ごし方は大きく分けると、プーケットなどのビーチリゾートを楽しむパターン、カンボジアやベトナムなどで遺跡など観光を楽しむパターン、バンコク、シンガポールなどでシティーライフを楽しむパターンが多かったです。

昨年の冬休みも同じ傾向でしたので、MBA2年目の冬休みを東南アジアに過ごすのはこちらのMBAの学生にとって一種の定番なのかもしれません。たしかにNYからタイ、シンガポールまで20時間は掛かるため、一度仕事を再開しますとなかなか行きにくいですし、卒業する前にやっておいて損することはなさそうです。

同級生の旅行先をSNSで追うなかで「おっ」と思ったのは、旅行先にミャンマーを選んだ同級生がざっくり10人以上もいたことでした。同級生の一人の家族がミャンマー出身で、彼女が里帰りした際に友達グループを招待したことがこの数字にかなり寄与しておりますが、一方でそのような繋がりなしで旅行した友達グループもおりましたため、ミャンマーに旅行することへの心理的ハードルが以前より下がっていることは間違いなさそうです。民主化に移行してから数年、アメリカ内でもミャンマーという国へのネガティブイメージは薄れつつあるようです。

僕がミャンマーに旅行したのは2009年、まだ軍事政権が健在の時期でしたので、旅行したことを凄く珍しがられたのを今でも覚えております。当時ミャンマーは相当な旅好き、もしくはインフラ系のビジネスに関わりのある人しか行かないような場所でした。実際に旅行してみますと、黄金のパゴタのあるヤンゴン、何千もの仏塔が平原にそびえる世界三大仏教遺跡の一つであるバガンなど、見ごたえのある観光資源に恵まれていることがわかりますが、なにせ当時は今以上に情報もない時代、旅行の候補先としてなかなか上がらない国でした。それが今ではマイナーな存在ながら旅先の候補として出るようになりました。東京から直行便が運航されるようになりましたし、時代の流れを感じます。今後ミャンマーがより身近な存在になっていくのか見守りたいと思います。

ちなみにバガンで気球に乗ってみた朝焼けは今でも最も感動した絶景の一つです。おすすめです。

写真はヤンゴンにある仏教の聖地です。

2016年2月15日月曜日

春学期スケジュールほか(2nd Spring)

すっかり更新頻度が落ちてしまいましたが、とうとう最後の学期を迎えてしまいました。MBA卒業後は帰国する予定ですので、最後の学期は少しでも実り多いものにしなければと危機感を持っております。1年目のように「ガンガンいこうぜ」のノリで参りたいと思います。

・スケジュール

Managing Change(選択科目・3単位) 月曜日 18:0021:00
Digital Strategy(選択科目・3単位) 火曜日 18:0021:00
Power and Politics(選択科目・3単位) 木曜日 13:3016:20
Modeling Financial Statements(選択科目・3単位) 木曜日 18:0021:00
Professional Responsibility(必修科目・1.5単位) 日曜日 9:0016:00 (2/142/212/28のみ)
DBi Morocco(選択科目・1.5単位) 春休み期間中

別の記事で予告しました通り、最終学期は夜間授業中心に固めました。看板教授の授業は月、木曜日ぐらいですが、それよりも卒業後の自分を見据えて今のうちに学んでおくべきテーマを重視して選びました。Digital Strategyは秋学期の授業で取ったBrand Strategyで触れたデジタルマーケティングの手法を深めたくて、また自分のなかのITリテラシーを高めたくてとりました。Power and Politicsは「政治」という力を今後のキャリア、リーダーシップの場面で有効活用する術を学ぶ授業で、MBA前のキャリアで組織内での政治について意識せず苦労した反省もあって取りました。Modeling Financial Statementsは苦手意識のある財務3表についてトレーニングする機会を作るべく取りました。いちばん期待しているのは企業変革(Change Managementについて学ぶManaging Changeという授業です。グループワークのテーマがIoTInternet of Things)ということで、何となく知った気になっているIoTについても学べるというおまけも嬉しいです。

DBi Moroccoについては…モロッコに行きたいということだけで選びました(笑)。とはいえ、おそらくビジネスの場では縁のなさそうな国に行くことができる、というのは自分のなかでは大きな動機でした。

・その他

空いている平日昼をどのように使うのか、ぼちぼち決めなければなりません。数日前にグアテマラのコンサルティングプロジェクトでお世話になった教授から「Undergraduateの学生のメンターをやらないか?」とお誘いをいただきましたので、確定ではないですがメンターのような活動ができるかもしれません。どこか無給でもいいのでインターンもできればと思っておりますが、こちらはまだ探している段階です。最悪の場合、空いている平日昼間、読書しまくろうと思っております。おそらくこれだけ自由に時間を過ごせるのは今のうちですので、大事に使うつもりです。

加えて卒業までの3ヶ月、出来る限りニューヨーク生活を楽しむつもりです。これまでの1年半、わりと学業に集中してしまったので、未だに美術館、ブロードウェイ、スポーツ観戦、ライブなどにあまり足を運んでおりませんでした。まだMoMAにも行っておりません(笑)。とりあえず来月のNBA観戦は決まりましたが、ぼちぼちMoMAMuseum of the City of New Yorkあたりにも足を運びます。

2016年1月17日日曜日

Global Social Impact Strategy

新年明けましておめでとうございます。遅くなりましたが今年もよろしくお願いします!

現在冬休みの真っ只中です。そのため多くの同級生がDBi(当校の研修旅行の授業)、もしくは単なる旅行で東南アジア、南米、もしくはイスラエルを旅しておりますが、僕は年明けからは2週間グアテマラに渡り、Global Social Impact Strategiesという授業のコンサルティングプロジェクトに参加しておりました。先程メキシコシティー経由でニューヨークに戻ってきたところです。忘れないうちに授業紹介をさせていただきます。以下長文になりますがご容赦ください。

Global Social Impact Strategy(選択科目・3単位)

開発途上国に年明けから2週間滞在し、現地のNGO、もしくはソーシャルビジネスに対してコンサルティングを行うプロジェクト系の授業です。公式にはMBAの授業ですが、NYUの他の大学院からの参加者が多数を占めるのが特徴です。今年はMPAプログラム (Master of Public Administration)の大学院、通称Wagnerからの参加者が半数以上を占め、残りは教育、ロー、TechMBAからの学生、合計17名でした。StrategyMarketingOperationMetrics4チームにメンバーは分かれ、各チームはクライアントから渡される課題に対して解決策を提案する、これがプロジェクトの流れです。僕が参加したStrategyチームは、クライアントの組織変革(Change Management)について提言を行いました。

授業に参加した理由としては、①MBAプログラムの3/4が終わったこのタイミングでこれまで学んだことを実戦で使用したかった、②バックグラウンドや考え方の異なるメンバーに囲まれたなかでチームをリードしたかった、③他の大学院から来たチームメートから違った考え方やアプローチを学んでみたかった、④これまで中米に縁がなかったので行ってみたかった、以上の4点です。

収穫は色々とありました。まずは①ですが、今回のチームメートはMPAの学生が3名、Tech系の学生(Tech x Business のプログラム)が1名だったため、各種フレームワークを用いて情報整理することに慣れているメンバーは僕だけでした。そのため、議論が脱線しがちなチームのなかで情報整理、論理のチェック役を引き受け、メンバーがプロジェクトをやりやすくなるように努めました。短期間とはいえ集中して取り組めたことは大きな収穫です。

②については凄く気をつけました。通常のMBAのプロジェクトと違い、様々な学校からメンバーが集った今回はメンバー間の共通言語が少ないため、どのように自分の考え方を伝えるかが貢献度の鍵を握ると睨んでおりました。そのためビジネスベースの考え方にあまり馴染みのないメンバーにわかりやすく意見を伝えるべく、適宜紙にチャートを描くことをいつも以上に意識しました。

③についても色々とあったのですが、特にあるMPAのチームメートとIntrovertExtrovertについて飲みながら話した際に考えさせられたことがあります。MBAのコミュニティーに慣れると忘れがちですが、MBAのコミュニティー内ではIntrovertExtrovertについてあまり意識せずに日々を過ごしておりました。プログラムの特性上、Extrovertの比率が高い(実感ベース)ため、加えて学生にExtrovertであることを求める節があるため、IntrovertExtrovertについて意識する機会が限られますが、もちろん実社会ではIntrovertの方々も活躍しております。チームをリードする際、Introvertの方々のよさをどう活かすか、どのように巻き込むかについて意識する、そんな当たり前のことを忘れてしまっていたことに気がつきました。

その点、例のチームメートはこのことをもの凄く意識しておりました。今回のプロジェクトはIntrovert、Extrovert双方のメンバーがおりましたが、発言や活躍の場が少なかったチームメートを気遣っていたのが印象的でした。彼女によると、アメリカ空軍でのリーダーシップの経験、加えてMPACommunity Buildingを学んだことが活きているそうです。久々にこのテーマについて考えるきっかけをくれた友人には感謝しております。今も執筆しながら久しぶりにこのテーマを扱ったTed Talkを観ております。

その他プロジェクトについて書きますと、今回他のチームにもささやかながら貢献させていただきました。秋学期に受けたBrand Strategyの授業のアプローチを早速Marketingのチームに紹介してみたところ、僕が提案した内容が最終提言に一部採用されることになりました。

ちなみに今回の機会でNYUの他の大学院の友人を作れたので、春学期にカラオケ大会を開くなど、旧交を温める機会を企画しようと思っております。