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2016年5月30日月曜日

2年分の授業一覧

今回は2年間で取得した授業を俯瞰してみたいと思います。全て並べますと下記の通りです。

1年目夏学期】
Statistics (必修科目・3単位)
Collaboration Conflict & Negotiation (本来は選択科目・1.5単位)
Management Communication (本来は選択科目・1.5単位)

1年目秋学期】
Strategy(選択必修科目・3単位)
Foundation of Finance(選択必修科目・3単位)
Marketing(選択必修科目・3単位)
Financial Accounting & Reporting(必修科目・3単位)

1年目春学期】
Corporate Finance(選択科目・3単位)
Leadership in Organization(選択必修科目・3単位)
Global Strategy(選択科目・3単位)
Strategy with a Social Purpose(選択科目・3単位)
Operation Management OPS in NYC”(選択必修科目・3単位)

2年目秋学期】
Valuation(選択科目・3単位)
Managing Growing Companies(選択科目・3単位)
Foundation of Entrepreneurship(選択科目・3単位)
Brand Strategy(選択科目・3単位)
Global Social Impact Strategy(選択科目・3単位)

2年目春学期】
Managing Change(選択科目・3単位)
Digital Strategy(選択科目・3単位)
Power and Politics(選択科目・3単位)
Modeling Financial Statements(選択科目・3単位)
Professional Responsibility(必修科目・1.5単位)
DBi Morocco(選択科目・1.5単位)

63単位取得(3単位分を無料で取得可能のため)

結果的に2年目の秋学期まで入学時の予定に概ね沿ってManagement系を中心に授業を取ったのですが、最終学期は新たに興味を持った科目を重点的に取得しました。そのため、当校では最大3つまでSpecialization(メジャー)を取れるので、ぜひ3つ取得することを狙っておりましたが、最終学期に路線変更したため結果的にStrategyLeadership in Change Management2つになりました。

級生を見ますと、トリプルメジャーを取った同級生もいれば、メジャーを特に気にせず授業を取り、僕と同じように2つで終わった同級生もおります。メジャーの数をどうするか、という問いへの正解はありません。MBA後にどのようなキャリアを歩みたいのか、そのためにMBAでどのような授業、そしてメジャーを取るのか次第です。僕の場合はあくまで卒業までに取っておくべき授業を優先し、どのメジャーにするかは優先度を下げました。

ちなみに一つ僕が取った授業一覧を特徴づけるとすると、実際に授業で学んだことを実戦で使う、ハンズオン系の授業を1年目の春学期以降、必ず1つ入れていたことが挙げられます。これまでもブログで触れてきたので詳述は避けますが、実際に手を動かすことで学んだものを復習することもできましたし、どのように学んだものを実戦に落とし込むこともできましたし、業界や専攻が異なる同級生と組むことで多面的な視点を学ぶこともできましたので、僕にとっては大変有意義なものでした。

写真はNBA観戦のときのものです。最終的にNFL以外のアメリカ4大スポーツは全て試合観戦できました。

2016年4月30日土曜日

同級生が受講している春学期授業(2nd Spring)

同級生の協力により成立している当シリーズも、今回でラストを迎えました。僕個人が2年間で取った授業も含めると、おかげ様で主要な授業はおおよそカバーすることができました。同級生には感謝し切れません。

・Private Equity Finance(選択科目・3単位)

PEについて学びたい場合、当校ではこの授業を受講することになります。PEの概念的な話から始まり、Due DiligenceLBOのモデリング、ポートフォリオ、Exiting、どのように利益を分配すべきかなど、関連テーマを網羅します。課題やグループワークの負荷はかなり重く、毎週かなりの準備が必要とのことですが、一方で実戦的な内容で学ぶことが多く、満足度は高いそうです。同級生に言わせると、個人的にはベストの授業とのことでした。

Restructuring Firms and Industries(選択科目・3単位)

Law Schoolと共催されている当校の人気授業の一つです。株価という指標を使いながら、資本構造、金融取引に関する諸テーマについて学びます。テーマは多岐に渡り、M&A、ターンアラウンド、PE、会社の組織構造、LaborTake Over、スピンオフ、Activism、ファミリービジネスなど実に様々です。授業は最新のResearch Reportを使いながら、講義ベースで進められます。中間テスト(任意)と期末テストで基本評価されます。ちなみに学生の比率ですが、MBA生とLaw Schoolの学生がそれぞれ半々とのことでした。

・Trading in Cash and Derivative Securities(選択科目・3単位)

2名の教授が担当する、トレーディングについて学ぶ授業です。前半は学者肌の教授が担当し、Market Efficiency、Arbitrage、Technical Trading、Volatilityなどについて講義とゲストスピーカーによる講演で学んでいきます。一方、後半ではQuantsの部隊を経験している教授が担当し、実務的な内容にシフトします。ある与えられた条件の場合、いくら投資するか、リスクをどう管理するか、どう投資額をファイナンスするかなどについて、ケーススタディーをベースに学びます。宿題では与えられた条件を元に仮想トレーディングを行い、運用結果がよいかどうかで評価されます。

Advanced Strategy: Tools(選択科目・3単位)

グループワーク中心の戦略系の授業です。各グループはそれぞれある業界内でROICの高い会社をピックアップし、その会社が競合他社に比べてROICが高い理由についてファイナルプロジェクトでまとめます。流れとして、①どうしてROICが高いのか仮説を立てる、②バックグラウンドデータを集めて検証する、③先生と面接して進捗を確認する、というサイクルを何度か繰り返しながらプロジェクトを仕上げていきます。そのため、コンサルティングプロジェクトの内容にかなり近い印象を受けました。ちなみにこの授業、おそらく教授のキャラによるものだと思われますが、特にアメリカ人の同級生の受講率が高い人気の授業です。

Family Business Management(選択科目・3単位)

ファミリービジネスについて網羅的に学べるコースで、システムダイナミクス、ファイナンス、ガバナンスなど内容は多岐に渡ります。毎週ケース課題が出され、それを元にしたディスカッションを行いますが、この授業の特徴はそのあとにケースに登場している実際の人物のインタビューや講話がビデオで見られることです。そうしてケースにしっかり浸かった後に関連のセオリーが説明され、クラスが締めくくられます。フォーマットとして最も素晴らしく、学んだ手ごたえを感じさせられるクラスです、とのコメントをもらいました。

Corporate Governance(選択科目・3単位)

Law Schoolとの共催の授業で、授業名の通り、コーポレートガバナンスについて網羅する授業です。会社は誰のためにあるのか、というテーマから始まり、会社の取締役会の構造、DiversityCulture、対投資家、CSRなどの話について学んでいきます。内容的には2年目の必修科目であるProfessional Responsibilityとも一部オーバーラップしている印象です。学びは多い一方で授業の負荷は重く、毎週200ページ前後、リーディングとケースを読み込む必要があるので要注意です。最後はチーム、個人でプレゼンテーションを行い、評価されます。ちなみに同級生にとって印象的だったのは、教授がアメリカ以外の地域の最新事情についても明るく、授業中随時紹介していたことだったそうです。

The Strategist(選択科目・3単位)

Strategyのゲーム理論的な側面を学ぶために同級生が取りました。他人がいること、物事には常に2面性があることを前提に、Strategistとしてどのようなことを考え、行動すべきかについて学ぶそうですが、本人が学びたかったゲーム理論についてはあまり触れられなかったそうです。また、概念的なことが多かったそうですので、ケースを用いてガンガンディスカッションしたい人向けではなさそうでした。

Retail Strategy(選択科目・3単位)

リテール業界関連の戦略系の授業です。元コンサルテントの教授が展開する授業です。各授業の前半はケースディスカッションに充てられ、GAPMacy’sUNIQLOなどの会社の事例を議論することができます。後半の時間帯はゲストスピーカーのプレゼンテーションに充てられ、業界の最新事情を知ることができます。もちろんプレゼン後にスピーカーとconnectすることもできますので、特に卒業後にリテール業界に進みたい人にとってはおすすめできるそうです。夜間に開催される授業で、今まさにリテール業界に働いている同級生ともconnectできるのも大きな利点だそうです。

Pricing(選択科目・3単位)

MarketingEconomicsData AnalysisPsychologyの側面から、どのように価格を決定すべきかについて学ぶ授業です。授業中のexerciseなどでベースとなるFormula(モデル)を学ぶので、ハンズオン系の授業で実戦的であるとのコメントをいただきました。ちなみに今学期は日本人の教授が担当、ゆっくりとした語り口調と人柄で学生から好評な教授とのことでした。

Urban System(選択科目・3単位)

グループプロジェクトを通じて都市に関わる諸テーマを学ぶ授業です。授業の流れは、最近起こったニュースの話→リーディング→グループプロジェクトの順で、最後に毎週グループプロジェクトの進捗を報告し合います。リーディングでは世界の都市開発に関するケースを扱い、成功例、失敗例の両方を学びます。同級生はニューヨークのある地区の都市開発についてグループプロジェクトで調べることになったのですが、ニューヨークに関するデータは手に入りやすいため、プロジェクトの調査ははかどったそうです。同級生曰く、都市問題について何らかの問題意識がある、もしくは主体的に学びたいテーマがある方々への受講をおすすめするそうです。

Sports Economics(選択科目・3単位)

スポーツという分野に関する経済的側面を学ぶ授業で、ミクロ経済学の教授が担当しております。アメリカの主要スポーツとヨーロッパサッカーのビジネスを通じて、Management SystemLabor Marketなどの諸テーマを学び、グループプレゼンテーションと試験で評価されます。同級生がこの授業を取った理由としては、スポーツは経済の規模こそ小さいものの、人の心を掴むビジネスのなかで最たるものなので興味があったそうです。

Data Mining for Business Analytics(選択科目・3単位)

Predicting Modelingについて学べる授業です。生のデータからソフトウェアを使いながら必要なデータを抽出し、Modelingを行っていきます。毎週宿題が課されますが、教科書の内容をしっかりと理解しないと解けないため、宿題の事前準備、宿題の準備の両方で負荷が大きい授業とのことでした。一方ではグループプロジェクトもございます。MBAの同級生はあまりおらず、むしろデータサイエンスを扱っている他のプログラムの学生などが受講していたそうです。

Decision Making Under Uncertainty(選択科目・3単位)

一言で言うとOptimizationについてハンズオンで学ぶブートキャンプ的な授業です。最適化する対象はサプライチェーン、ポートフォリオなど様々です。最適化の数値はモデルに計算式に入れればはじき出せるらしいのですが、適切な計算式を入力しないと正しいデータを得られないそうで、状況に応じてどのような計算式を入力すべきかを学んでいきます。

Supply Chain Management(選択科目・3単位)

サプライチェーンについての概論を学ぶ授業です。サプライチェーン大好きな教授が展開する授業で、ケースディスカッションをベースにして(ZARAのケースなど)調達最適化について学んだり、Inventory Controlのシミュレーションに取り組んだり、サプライチェーンを構築するにあたり関税がどのように影響しているのか話を聞いたりしたそうです。あくまで概論について学ぶため、僕みたいに前職でサプライチェーンを扱っていた人間にとっては不要かもしれないとのコメントをもらいました。

写真については全く関係のない、グッゲンハイム美術館を載せてみました。

2016年4月19日火曜日

春学期授業(2nd Spring)

遅くなりましたが、今学期の授業をまとめてみました。最後の紹介記事だと思うと感慨深いです。

Managing Change(選択科目・3単位)

企業変革(Change Management)に関する授業です。仮に企業が事業を方向転換しなければいかない場合、どのような戦略に変えるのが望ましいのか、また組織を変革に導きexecuteするためにはどのようなことを戦略に組み込まないといけないのかを学びます。授業は講義中心でケースディスカッションは少なめですので、ケースをゴリゴリやるのが好きな方にはお薦めできないかもしれません。最後にグループごとにアサインされた会社の戦略案についてファイナルプロジェクトでまとめます。負荷は重めです。今回のファイナルプロジェクトでIoTInternet of Things)に関わる各業界のメインプレーヤーが取り上げられますので、他グループの話を聞くことでIoTの動向についての理解が深まりそうです。

Digital Strategy(選択科目・3単位)

端的も言うとITリテラシーを上げるための授業です。Digital時代に入りビジネスがどのように変化してきているか、現在どのような新しいテクノロジーが世に出ている、もしくは出ようとしているのか、またGoogleなど業界のトップを走っている会社がどのように収益を上げているのか、などについて学びます。事前予習の分量はこれまで取った授業のトップで、毎週50100ページ以上の読み物(記事と教科書)が課せられます。僕はまさにITリテラシーを上げるためにこの授業を取ったので、読み物の内容は勉強になりましたが、一方で授業は事前課題の読み物の内容を説明する講義形式がメイン、あまり授業での収穫はありませんでした。HBSケースも1つ読んだだけで終わりそうですので、ケースディスカッションの比率を上げてほしいのが個人的な希望です。最後はグループで新しい技術、ビジネスをプレゼンして締めます。他グループの発表を聴くことで、ITリテラシーはたしかに上がりそうです。

Power & Politics(選択科目・3単位)

今学期のベスト授業でした。組織内の「政治」という力にフォーカスを置き、どのような力があるのか、またその力がどのように周囲に影響を及ぼしうるのかについて学ぶソフトスキル系の授業です。ハイテンションなインド人の教授が担当、ケースディスカッションとロールプレイングを中心に授業が展開され、中間と期末のTake Home Examで締められます。この授業を取ろうと思ったのは、前職でPoliticについて一切気にせず仕事をした結果、(自業自得ですが)色々と余計な苦労をしてしまった苦い経験があったからです。実際にコンセプトを学びますと、過去の様々な失敗について違う立ち回り方ができたことを発見することがかなりありました。自分の胸に突き刺さることが多かった分、MBA後のキャリアでも学んだことが残りそうな気がします。ちなみに失敗が多かった分、過去の失敗談を披露することでvalue(?)を提供する機会に恵まれたのは意外でした。

Modeling Financial Statements(選択科目・3単位)

前の学期に同級生が寄せたコメントをご覧ください。

Professional Responsibility(必修科目・1.5単位)

2年目に取らなければならない唯一の必修科目です。ざっくりな説明ですが、学生が今後キャリアで足を踏みまずさないために、どのようなタイプの違法行為、倫理的にアウトな行為があるのか、どのような形で過去足を踏みまずしたのかを学びます。倫理、法律に加え、心理学的な側面もタッチします。教授は過去何度もTEDで講演している有名人で、話し方、教え方の非常にうまい方でした。

DBi Morocco(選択科目・1.5単位)

以前記事を書きましたのでご覧ください。

今学期は講義系の授業の割合が多かったですが、僕個人としてはケースでゴリゴリやる授業の方が好きだと再実感しました。瞬間的に考えさせられることが多いのが理由です。とはいえ今学期はMBA卒業後を考えて学ぶべきテーマを優先して取りましたので、やむを得ない部分はありました。

また別記事で2年間に取った授業を俯瞰してみたいと思います。写真は2月にランニングで渡ったQueensboro Bridgeです。

2016年3月21日月曜日

DBi Morocco

今週はDBi Moroccoという海外研修プログラムの授業に参加しておりました。DBiは「Doing Business in」の略でして、滞在国のビジネススクールで授業を受ける、もしくは現地企業をビジットすることで、当地でのビジネスについて学ぶプログラムです。例年冬休み、春休み、春学期終了後(夏休みの初め)に1週間(1.5単位分)から2週間(3単位分)開催され、行き先はお主に中南米、ヨーロッパ、アジア諸国、イスラエル、オーストラリアなど10カ国以上から選ぶことができます。今回モロッコを選んだのは、昔から純粋に行ってみたかった国だったことに加え、おそらくビジネスで行く機会がなさそうだったから、またこれまでバックパッカー旅行で縁のあったイスラム諸国のビジネス面に少し触れてみたかったからでした。

DBi Morocco(選択授業・1.5単位)

今回のDBi Moroccoは、主に欧米諸国がアフリカに投資する際モロッコが今後どのような役割を果たせる可能性があるのか、というテーマでプログラムが組まれました。イスラムでのビジネスを学ぶつもりが、よりアフリカビジネスに重心を置いた内容を学ぶことになりました。ざっくりまとめますと、イスラム色の強いアラブ諸国と近からず遠からずの距離感を維持し、同じフランス語圏の西アフリカ諸国に金融、通信などのサービス業を進出させているモロッコは既にアフリカで独自の地位を確立しており、今後数十年間中間層の成長が見込まれるアフリカ諸国で投資を行う際の窓口になる潜在能力がある、という内容でした。授業は3時間のコマが月曜日から金曜日まで計6コマで、企業研修が2回ありました。事前課題の読み物は重ための内容でしたが、DBi Moroccoの期間中はそこまで負荷は高くなく、授業後は観光、ディナーに繰り出すことができました。事前課題、授業での発言、最終グループワークをもって評価されます。

当初期待していたイスラム圏のビジネスについてはあまり学べませんでしたが、一方でアフリカの各地域の特徴、アフリカ域内のビジネスの繋がり、モロッコという国の多様性、Entrepreneurshipの現状など、モロッコを旅行することだけでは学ぶことができなかった知見を得ることができました。また、参加者の半数がパートタイムの学生だったため、新しい交友関係も築くこともができました。この知見、繋がりがどのようにMBA後のキャリアに通じるのはわかりませんが、未体験の価値観に触れることでまた少し”confort zone”を広げることはできたと思います。

ちなみに、冬休み期間中にDBi Brazilに参加した同級生が別ブログに記事にアップしておりますので紹介します。併せて読んでいただくとDBiのイメージがより伝わると思います。

写真はマラケシュのスークです。

2016年2月15日月曜日

春学期スケジュールほか(2nd Spring)

すっかり更新頻度が落ちてしまいましたが、とうとう最後の学期を迎えてしまいました。MBA卒業後は帰国する予定ですので、最後の学期は少しでも実り多いものにしなければと危機感を持っております。1年目のように「ガンガンいこうぜ」のノリで参りたいと思います。

・スケジュール

Managing Change(選択科目・3単位) 月曜日 18:0021:00
Digital Strategy(選択科目・3単位) 火曜日 18:0021:00
Power and Politics(選択科目・3単位) 木曜日 13:3016:20
Modeling Financial Statements(選択科目・3単位) 木曜日 18:0021:00
Professional Responsibility(必修科目・1.5単位) 日曜日 9:0016:00 (2/142/212/28のみ)
DBi Morocco(選択科目・1.5単位) 春休み期間中

別の記事で予告しました通り、最終学期は夜間授業中心に固めました。看板教授の授業は月、木曜日ぐらいですが、それよりも卒業後の自分を見据えて今のうちに学んでおくべきテーマを重視して選びました。Digital Strategyは秋学期の授業で取ったBrand Strategyで触れたデジタルマーケティングの手法を深めたくて、また自分のなかのITリテラシーを高めたくてとりました。Power and Politicsは「政治」という力を今後のキャリア、リーダーシップの場面で有効活用する術を学ぶ授業で、MBA前のキャリアで組織内での政治について意識せず苦労した反省もあって取りました。Modeling Financial Statementsは苦手意識のある財務3表についてトレーニングする機会を作るべく取りました。いちばん期待しているのは企業変革(Change Managementについて学ぶManaging Changeという授業です。グループワークのテーマがIoTInternet of Things)ということで、何となく知った気になっているIoTについても学べるというおまけも嬉しいです。

DBi Moroccoについては…モロッコに行きたいということだけで選びました(笑)。とはいえ、おそらくビジネスの場では縁のなさそうな国に行くことができる、というのは自分のなかでは大きな動機でした。

・その他

空いている平日昼をどのように使うのか、ぼちぼち決めなければなりません。数日前にグアテマラのコンサルティングプロジェクトでお世話になった教授から「Undergraduateの学生のメンターをやらないか?」とお誘いをいただきましたので、確定ではないですがメンターのような活動ができるかもしれません。どこか無給でもいいのでインターンもできればと思っておりますが、こちらはまだ探している段階です。最悪の場合、空いている平日昼間、読書しまくろうと思っております。おそらくこれだけ自由に時間を過ごせるのは今のうちですので、大事に使うつもりです。

加えて卒業までの3ヶ月、出来る限りニューヨーク生活を楽しむつもりです。これまでの1年半、わりと学業に集中してしまったので、未だに美術館、ブロードウェイ、スポーツ観戦、ライブなどにあまり足を運んでおりませんでした。まだMoMAにも行っておりません(笑)。とりあえず来月のNBA観戦は決まりましたが、ぼちぼちMoMAMuseum of the City of New Yorkあたりにも足を運びます。

2016年1月17日日曜日

Global Social Impact Strategy

新年明けましておめでとうございます。遅くなりましたが今年もよろしくお願いします!

現在冬休みの真っ只中です。そのため多くの同級生がDBi(当校の研修旅行の授業)、もしくは単なる旅行で東南アジア、南米、もしくはイスラエルを旅しておりますが、僕は年明けからは2週間グアテマラに渡り、Global Social Impact Strategiesという授業のコンサルティングプロジェクトに参加しておりました。先程メキシコシティー経由でニューヨークに戻ってきたところです。忘れないうちに授業紹介をさせていただきます。以下長文になりますがご容赦ください。

Global Social Impact Strategy(選択科目・3単位)

開発途上国に年明けから2週間滞在し、現地のNGO、もしくはソーシャルビジネスに対してコンサルティングを行うプロジェクト系の授業です。公式にはMBAの授業ですが、NYUの他の大学院からの参加者が多数を占めるのが特徴です。今年はMPAプログラム (Master of Public Administration)の大学院、通称Wagnerからの参加者が半数以上を占め、残りは教育、ロー、TechMBAからの学生、合計17名でした。StrategyMarketingOperationMetrics4チームにメンバーは分かれ、各チームはクライアントから渡される課題に対して解決策を提案する、これがプロジェクトの流れです。僕が参加したStrategyチームは、クライアントの組織変革(Change Management)について提言を行いました。

授業に参加した理由としては、①MBAプログラムの3/4が終わったこのタイミングでこれまで学んだことを実戦で使用したかった、②バックグラウンドや考え方の異なるメンバーに囲まれたなかでチームをリードしたかった、③他の大学院から来たチームメートから違った考え方やアプローチを学んでみたかった、④これまで中米に縁がなかったので行ってみたかった、以上の4点です。

収穫は色々とありました。まずは①ですが、今回のチームメートはMPAの学生が3名、Tech系の学生(Tech x Business のプログラム)が1名だったため、各種フレームワークを用いて情報整理することに慣れているメンバーは僕だけでした。そのため、議論が脱線しがちなチームのなかで情報整理、論理のチェック役を引き受け、メンバーがプロジェクトをやりやすくなるように努めました。短期間とはいえ集中して取り組めたことは大きな収穫です。

②については凄く気をつけました。通常のMBAのプロジェクトと違い、様々な学校からメンバーが集った今回はメンバー間の共通言語が少ないため、どのように自分の考え方を伝えるかが貢献度の鍵を握ると睨んでおりました。そのためビジネスベースの考え方にあまり馴染みのないメンバーにわかりやすく意見を伝えるべく、適宜紙にチャートを描くことをいつも以上に意識しました。

③についても色々とあったのですが、特にあるMPAのチームメートとIntrovertExtrovertについて飲みながら話した際に考えさせられたことがあります。MBAのコミュニティーに慣れると忘れがちですが、MBAのコミュニティー内ではIntrovertExtrovertについてあまり意識せずに日々を過ごしておりました。プログラムの特性上、Extrovertの比率が高い(実感ベース)ため、加えて学生にExtrovertであることを求める節があるため、IntrovertExtrovertについて意識する機会が限られますが、もちろん実社会ではIntrovertの方々も活躍しております。チームをリードする際、Introvertの方々のよさをどう活かすか、どのように巻き込むかについて意識する、そんな当たり前のことを忘れてしまっていたことに気がつきました。

その点、例のチームメートはこのことをもの凄く意識しておりました。今回のプロジェクトはIntrovert、Extrovert双方のメンバーがおりましたが、発言や活躍の場が少なかったチームメートを気遣っていたのが印象的でした。彼女によると、アメリカ空軍でのリーダーシップの経験、加えてMPACommunity Buildingを学んだことが活きているそうです。久々にこのテーマについて考えるきっかけをくれた友人には感謝しております。今も執筆しながら久しぶりにこのテーマを扱ったTed Talkを観ております。

その他プロジェクトについて書きますと、今回他のチームにもささやかながら貢献させていただきました。秋学期に受けたBrand Strategyの授業のアプローチを早速Marketingのチームに紹介してみたところ、僕が提案した内容が最終提言に一部採用されることになりました。

ちなみに今回の機会でNYUの他の大学院の友人を作れたので、春学期にカラオケ大会を開くなど、旧交を温める機会を企画しようと思っております。
 

2015年12月17日木曜日

同級生が受講している秋学期授業(2nd Fall)

同級生の皆様のおかげで成立している恒例企画です。今回も当校がファイナンスだけでなく、他の分野でも魅力的な授業が多いことを実感いただければ嬉しいです。実際に取材をしている僕も勉強になりました。

Modeling Financial Statements(選択科目・3単位)

企業の財務分析や業績予測を行うための財務モデルを組み立てることを目的としたコースです。当校のアカウンティング分野での看板教授、Dan Godeが担当しており、与えられた売上や原価、設備投資、・配当等のデータが結果的にどのような財務諸表の数値につながっていくかを算出するためのモデルを組み立てます。会計知識が必須ですが、企業のビジネス上のインプットを会計上の数値に変えていくことができるようになりますので、なかなか興味深いそうです。宿題が多いことでも有名でして、毎週10個程度のモデリング作業が必要ですが、力がつくことに疑いの余地はないとのことです。試験では150行にも及ぶ実務でも見そうな財務モデルの構築が求められ、最後はアサインされた企業の業績予測を行うという極めて実践的なグループプロジェクトで締めくくられます。非常に満足度の高いコースとのコメントをもらいましたので、僕もアカウンティングが決して得意ではないため最後の学期に取る予定です。

Bankruptcy and Reorganization(選択科目・1.5単位)

Zスコアを考案した当校の有名人であるAltman教授と、リーマンブラザーズの倒産を担当した裁判官であるJames Peckが担当する半期の授業です。Zスコアについてはあくまでさらっと扱うためファイナンスをゴリゴリやる感じではなく、どちらかというと授業を担当する2人の経験談、法律や裁判関連のインサイト(誰が裁判官になるかが凄く大事であることなど)から学ぶことが多い授業とのことでした。法律用語がわからないと授業中、チンプンカンプンになるそうなので要注意です。授業中にはRestrucrturing専門のコンサルタントや某PEで働くRestrucrturingの専門家がゲストスピーカーとして呼ばれたそうです。グループプロジェクトでは実際にBankruptcyのケースについて分析、考察を行うのですが、実際に当時の裁判資料を見る貴重な機会を得られたそうです。まとめますと、投資銀行、PE、もしくは企業再生を行うコンサルタントなどを目指す場合にお勧めだそうです。ちなみに今学期がAltman教授の担当する最後の学期であるとの噂があることを追記しておきます。

Mergers and Acquisitions(選択科目・1.5単位)

Damodaran教授のValuationに近い授業で、M&Aの定義に始まり、M&Aをどの資本(株?現金?)で行うか、株と現金をどのような交換比率に設定するか、買収提案に対してどう防衛するか、M&Aがどのように株価に影響を与えるかなど、よりM&Aに特化した内容を取り扱う半期の授業です。授業は講義ベースとはいえなかなかinteractiveなもので、最終的にグループワークと期末試験で評価されるそうです。

Financial Information Systems(選択科目・3単位)

金融業界のIT関連についてカバーする授業です。金融業界についての概論から始まり、取引(ATMからHigh Frequencÿ取引まで)、規制、アルゴリズム、また規制が変わることで生じる金融業界のイノベーションなどについて、ITの専門家からの視点で取り扱っているそうです。元々授業を担当するBernard Donefer教授は金融業界で長年ITを専門にしていた方なので、金融業界全体、特にITやオペレーション関して深い見識があり、業界に関する話を聞くだけでも勉強になるそうです。授業は夜間開講でInteractive、予習と宿題はなくテスト結果で評価されるそうです。

Business Driver(選択科目・3単位)

日本人には内容のわかりにくいコース名ですが、アメリカ人にとってもそれは同じことのようです(笑)。当校のアカウンティングの第一人者、Dan Gode教授が担当するクラスで、企業の財務・経営分析を行い、企業の成長やリスクの要因(Driver)を探るという趣旨のコースです。毎週ヘルスケア、エネルギーなど特定の業界の有名企業をアサインされ、各チームでレポートを作成して発表、先生からの質問を受け、議論するという、ビジネススクールでも珍しいスタイルで授業が進みます。分析した会社はランダムでアサイン、例としてIntel, Under Armor, First Solar(ソーラーパネルの会社)など、実に多岐にわたる企業を分析されたそうです。レポートは教授から与えられた分析用のエクセルシートと、シートから得られた結果への考察をまとめたワードファイルの2点セットです。最後は自ら選んだ企業についてプレゼンを行います。レポートとプレゼンで評価されるため手ごたえは不明とのことですが(笑)、他のどの授業よりも楽しく、学びあるコースだったということは実感をもって言えるとのコメントをもらいました。

Business Law for Managers(選択科目・3単位)

ビジネスに関連する米国の法律を広くカバーする授業です。裁判所の概要から始まり、契約、会社法、法務、IP、コーポレートガバナンスについて取り扱ったそうです。特徴としては裁判のケースをベースに授業を展開するためInteractiveであること、予習の読み物はえげつなく多いこと(そのため授業のカバー範囲が広いというメリットもある)、教授の個性が強いことだそうです。授業を担当するRichard Hendler教授は生徒に愛のある熱心な教育者で、特に夜間授業の場合、毎回生徒のためにテークアウトで夕食を振舞うそうです。印象に残ったのは最初に扱ったペプシが展開したペプシポイントのケース(700万ポイントを実際に貯めてジェット機の交換を申請した方がポイント交換して応じてもらえずに起こした裁判)でして、裁判官役、原告役、被告役などにわかれ模擬裁判を授業中にやってみたそうです。

Globalization, Open Innovation, and Crowdsourcing: New Ways of Organizing(選択科目・3単位)

グローバリーションによって広がりを見せているオープンイノベーション、クラウドソーシングに関する授業です。グローバライゼーションの話からオープンイノベーションやクラウドソーシングのケース(成功例と失敗例)を取り扱ったほか、グループワークでは実際にアップワークというサイトを経由してフリーランサーにパワーポイントの制作をアウトソーシングし、当初意図した結果になったのか、どのように指示すべきだったのかなどをまとめます。オープンイノベーションのケースで例に出ていたのは、アウトソーシングをかつて一切行っていなかったLEGOが販売したおもちゃのプログラムをファンが書き換えた結果、これまで社内ではなし得なかったイノベーションを成し得ることができた、という話でした(それ以来LEGOがオープンイノベーションを積極的に取り入れたのは有名な話のようです)。授業中には某クラウドソーシングの事業会社、某金融機関(クラウドソーシングのプロジェクトを数百件抱えている側)、某スタートアップからゲストスピーカーが来場したそうです。まとめますと、限られたキャッシュ、リソースのなかでビジネスを立ち上げる必要のある、Entrepreneurship系に興味のある人にとっては、取る価値の大きい授業だという印象を受けました。

Digital Media Innovation(選択科目・3単位)

メディア企業CriteoPresidentGreg Colemanが担当する、デジタルマーケティングやデジタルメディアのスタートアップについて学ぶ授業です。授業ではほぼ毎回、ビジネス(スタートアップ)側、VC側のゲストスピーカーがそれぞれ1名ずつ呼ばれ、ビジネスを実際に行う側、ビジネスに投資する側としてそれぞれ講演を行う形で進められます。印象的なスピーカーとして、Fousquare の創業者兼CEOが挙げられておりました。グループプロジェクトではデジタルメディアのスタートアップ案をVCにプレゼンする内容とのことです。こちらの授業はまさにニューヨークの地の利を活かしており、メディア系、Entrepreneurship系に興味のある人にとって有意義な授業である印象を受けました。

写真はJewishのHanukkkaのあった週末のもので、通りにキャンドルのような装飾をかざした車がパレード(?)しておりました。Jewishの多いニューヨークならではのイベントなのもしれません。

2015年11月25日水曜日

秋学期授業(2nd Fall)

更新がしばらく途絶えておりましたが、今学期取っている授業を共有致します。

Valuation(選択科目・3単位)

当校随一の名物教授、Damodaran教授によるValuationの授業では、外から見た企業の評価手法(DCFMultiplesなど)を平易な語り口調で、豊富なinsightを交えながら学ぶことができます。小テストやグループワークがあるので負荷は決して軽くないですが、この授業を取るためにSternに来る同級生がいるほど評価の高い授業です。グループワークでは、グループごとにメンバーが選択した企業について複数の手法により評価し、どの手法から得た評価結果を採用するかについてまとめることになっております。ちなみに当校では1年目の春学期にCorporate Finance2年目の秋学期にValuationの授業を取るルートが一般的です。

Managing Growing Companies(選択科目・3単位)

スタートアップの段階を超えた企業を今後どのように成長させるべきか、成功例、失敗例のケースをベースにディスカッションする授業です。MBAの各基礎科目の知識をベースに、企業の長所、短所、機会、リスクをケースごとに分析するため、新たなフレームワークを体系的に学ぶのには適しておりませんが、取り扱うケース、教授のインサイトなど、何かと今後役に立つ気づきの多い授業になっております。Okun教授は当校の看板教授の一人で、主に投資家の立場から企業の経営に関わってきた経歴を持っております。

Foundation of Entrepreneurship(選択科目・3単位)

同じくOkun教授の担当する授業で、こちらではスタートアップの企業をどのように成長させるか、ケースメソッドで学んでいきます。スタートアップの段階ということもあり、スタートアップの成功例、失敗例だけでなく、資金調達の方法、VC側の話(どのようなスタートアップに投資すべきか)などについても取り扱います。こちらの授業についても新たなフレームワークを体系的に学ぶというよりは、各ケースで気づきを得られる感じです。ちょうど現在スタートアップのビジネスコンペに出場しておりますため、授業中の気づきをビジネスプラン作成の際に役立てたのはよかったです。

Brand Strategy(選択科目・3単位)

マーケティングのうち、ブランディングに特化した授業です。当校の看板教授のGalloway教授が担当する本授業では、ブランドという資産をどのように評価し、今後高めていくべきかについて、主にディスカッション形式で学ぶことができます。評価の半分を占める最終プロジェクトでは、グループごとに選んだブランドについて、ブランド力の評価、今後の改善策をまとめます。予選を勝ち抜くことができた組のみ、最後の授業で提言内容をプレゼンテーションすることができます(通称「Battle of Brand」)。教授がクラスの雰囲気をうまく作り出しているせいか、もしくは通常のMBA生とPart Time MBA生がほどよく混ざっているせいか、皆ガチでプロジェクトに取り組んでおり、いい意味でCompetitiveでした。ちなみに僕のチームは21グループ中4位、惜しくも入賞を逃しました。

教授はUC Berkeley HassMBAプログラム在学中、当時Brandingの第一人者であるアッカ―教授の薫陶を受けたことをきっかけにブランディングの道を歩んでおり、卒業してから合計8社のスタートアップに関わっております。現在はL2というブランドに関するビジネスインテリジェンスのサービスを提供している会社の経営に関与する傍ら、10年以上前よりマーケティングの教授を兼務しております。本授業はアッカー教授の教えをベースにしております。

当授業で特徴的なことが何点かございます。まず、授業中の発言、週ごとのソーシャルメディアでの影響度(Kloutというサイトを利用して影響度を数値化する)、小テストなどの点数を合算し、1位から最下位まで受講生をランク付けし、上位と下位10名ずつを定期的に発表することが挙げられます。最近ソーシャルメディアでくだらない投稿が増えていたのはこの影響です。次に、教授が授業(アイランドと教授は例える)で繰り広げる歯に衣を着せぬ発言が挙げられます。彼に言わせると、人間は理論ではなく感情や本能により左右されるものであり、マーケティングに関しても感情の影響が最後に大きくものを言うことを、時に辛口に、時にタブーを用いて説明します。最後に、教授の経験を元にした講義の面白さが挙げられます。ロゴを扱う回では、これまで教授が立ち上げた全会社のロゴを一つ一つ検証し、何が成功し、何がうまくいかなかったのかについて、彼のスタートアップの履歴やTake Awayを交えて説明しておりましたが、自ら起業した体験談そのもの、また本人が当時どのような意図でロゴを制作したのかを伺うことができました。

普段授業紹介でここまで長く書かないのでバレたかもしれませんが、個人的にはここまでの全授業で最もタメになる、かつ内容も面白いものでした。僕はメーカー出身だったこともあり、学んだ全ての事が目から鱗でした。

今回触れられなかった冬休み中の授業については追って記事をアップしようと思います。

写真ですが、主にセントラルパークでの紅葉を数種間前に撮ったものです。



2015年9月19日土曜日

秋学期スケジュールほか(2nd Fall)

既にMBA2年目に突入して3週間たってしまいましたが、秋学期のことをまとめてみました。僕がMBAに行った目的の1つにグローバルな環境でリーダーシップ経験を積むことがありましたが、わりと1年目で目標を達成できた実感があるため、2年目はMBA期間中にしかできないことによりフォーカスしようと思っております。

・スケジュール

Valuation(選択科目・3単位) 月・水曜日 10:3011:50
Managing Growing Companies(選択科目・3単位) 火・木曜日 13:3014:50
Foundation of Entrepreneurship(選択科目・3単位) 火・木曜日 15:0016:20
Brand Strategy(選択科目・3単位) 火曜日 18:0021:00
Global Social Impact Strategy(選択科目・3単位) 冬休み期間中

学期期間中に取る授業は4コマのみ、しかも2年目でペースは掴めているので授業そのものの負荷はそこまで大きくない状況です。見事に看板教授の授業ばかり並んでしまいました。Managing Growing CompaniesFoundation of EntrepreneurshipEntrepreneurship寄りのもので、会社を立ち上げる、もしくは成長させるための戦略についてケースメソッドで学ぶ授業です。Valuationは外部からの企業評価する手法、Brand Strategyはブランディングについて学ぶ授業で、その道の第一人者から学べるので楽しみです。なおGlobal Social Impact Strategyは、冬休み期間中にグアテマラに行き、NGOへのコンサルティングプロジェクトを行う授業です。

なお、この投稿をする数日前に、毎週Tiwtter、Tumblr、Buzzfeedなど主要メディア会社のExecutiveが毎週のように講演する、Digital Media Innovationという面白そうな授業の存在を知りましたが、履修が間に合わず…手遅れでした。

・クラブ関係

今年度はJapan Business AssociationPresidentをやらせていただいております。今年度のクラブの活動については当校の在校生ブログに投稿している通り、学校の非公式説明会など色々と新たな試みを行う予定です。クラブ内の役割としては、学校との折衝、予算、イベント、役員選出、役員会運営などで、当たり前ですが何かと根回しを行う機会が増えてきました。今月に入り、特に日本人以外の新MBA1年生の役員候補者をリクルーティングすべく活動しておりますが、リクルーティングする側に回る経験は今回初めてなので、色々勉強させていただければと思っております。

・その他

少なくとも秋学期はEntrepreneurshipに力を入れます。というのも、当校の200K Entrepreneurs Challengeというビジネスコンペティションにある友人と組んでチャレンジすることになりました。こちらのイベント、通常のビジネスプラン、ソーシャル系、テック系の3ジャンルについて、最もよいビジネスプランを1年間掛けて決める当校最大規模のコンペです。秋学期に書類選考、予選ラウンド、春学期に準決勝、決勝ラウンドが行われます。

ちなみに相方は秋学期にビジネスプランの組み立て方を学ぶ授業を受講しているため、授業の進捗に沿って準備を進めることになりました。授業で紹介されるフレームワークをハンズオンで使うので勉強になりますし、毎週授業で出る課題に沿って準備できるのでいいペースメーカーになっております。見方を変えると、彼の授業の宿題に手を貸していることは内緒です(笑)。既に彼が提出したビジネスプラン案のプレゼン資料に、チームメンバーとして僕の名前が顔写真と一緒に紹介されてしまいましたので、最後までとことんお付き合いします。

真面目な話、ビジネスプランを作成することだけでも、これまで学んできた各科目の知識や経験を横断的に使いこなさなければならないのでバカにできません。1年目に学んだことを復習しながら、また各科目の繋がりを今一度意識しながらプランを作成する経験は、これまで事業会社でしか勤務経験のない、ビジネスプランの1つも書いたことのなかった僕にとってはいい訓練になりそうです。

写真はNYU Sternの入口、現カフェ、教室の写真です。休日に撮影したのでがらんとしておりますが、授業のある平日は入口付近に学生が溜まっております。

 
 
 

2015年5月12日火曜日

同級生が受講している春学期授業(1st Spring)

同級生のご協力あって成り立っている恒例企画です。当校の授業のバリュエーションを感じていただければと思います。

・Global Economy(選択必修科目・3単位)

マクロ経済を学ぶ授業で、印象としては仕事で直接使うというより、仕事をする上で常識として知っておく必要のある科目とのことでした。GDPの計算方法から、労働環境など各種要因により経済がどのように変化するか、などを扱います。基本レクチャーベースで授業が進められますが、グループワークの比重も高く、ケース分析を行ったり、グループごとにアサインされる特定の国についての経済予測を取り纏めてプレゼンテーションを行ったりします。

Programming in Python(選択科目・3単位)

一言で言うとプログラミングの授業です(MBAの枠だけでも幅広い分野の授業が履修できる例ですね)。プログラミングを行うための言語(パイソンなど)の習得に加え、ウェブサイトから情報を抽出するアプリケーションをグループごとに実際につくるそうです。同級生の所属したグループは最終課題で、クリップアートを比較するサイトを立ち上げておりました。アメリカにおけるプログラミングという学問はより常識に近い扱いで、金融業界でも使われることが多いとのことです。

Investment Banking(選択科目・3単位)

マーケット、投資銀行サイドの両方でキャリアを積まれた名物教授、マーフィーが行う業界のイントロダクション的な授業で、投資銀行に興味のある学生(主に2年生)が受講しているそうです。授業は講義形式(グループワークやディスカッションはなし)、学期中の2回のテストで評価が決まるそうです。教授の雑談(経験談)がおもしろい、教科書(リーディング)がおもしろい、最近の記事が中心でトレンド感を知ることができる(アメリカが業界の最先端をいっているとのこと)などの理由で人気の授業です。別の友人はテスト前にかなりの量の読み物をレビューしなければいけないことをボヤいておりました。

Global Wealth Management and Private Banking(選択科目・3単位)

その名の通り、プライベートバンキングを学ぶ専門的な授業です。ケースのディベートに加え、ケースにまつわるゲストスピーカーの講演を中心に授業が進みます。毎回宿題(ブリーフィング)が課題として出されるので負荷は軽くはなさそうですが、業界に興味のある人によってはおもしろい授業とのことです。例えばプライベートバンキングのマネージャーになった際、複数の候補者のうち誰を昇格させるべきか考えるケースなど、かなり具体的なテーマを扱うそうです。ちなみに当クラスは夜間授業のため、パートタイムの学生ともチームを組んだりディスカッションを行ったりしそうですが、ある同級生が毎回授業で話す運用結果や経験談がぶっとんでいて凄くおもしろいとのことでした。

Hedge Fund Strategy(選択科目・3単位)

文字通りヘッジファンドを学ぶ、専門家向けの夜間授業です。ヘッジファンドに関して包括的に学ぶ授業のため、業界に興味のある人にしかお勧めができないそうです。教授陣は実際に20年以上の運用経験のあるベテラン2名で編成されており、まさにニューヨークにいるからこそ受けられる授業とのことです。教科書、講義形式で授業が進められますが、教授が実際に取り扱ったことをケースとして扱ったり、プロジェクトでは実際に学んだことを活かして市場の分析を行ったりするなど、アウトプットの機会もきちんとあるようです。

CFDA Masters WorkshopStern Signature Project
The Fashion Industry: Marriage of Creativity and Business(選択科目・3単位)の履修が必須

当該プロジェクトはStern Signature Projectのコンサルティングプロジェクトの一つで、ニューヨークのファッション業界のクライアントに対してコンサルティングを行う企画です。そもそもStern Signature Projectとは、学校主催で学校ごとに開催されているコンサルティングプロジェクトの総称です。ちなみに、学校が主催しているもう一つのプロジェクト、Stern Consulting Corpとの違いとして、Stern Signature Projectの方がより業界にフォーカスしていることが挙げられますが、どちらも最終的にクライアントに対して提言(レコメンデーション)を行う点では共通しています。ちなみに同プロジェクトはファッションブランドのビジネスに興味のある同級生が基本受講しており、なんと9割が女性とのことです。

プロジェクトの流れとしまして、①最初の授業でグループのアサイン、またクライアントとのマッチングが行われ、②学期を通じてクライアントの分析、レコメンデーションの策定を進め、③最終プレゼンでレコメンデーションを行う、以上の3点です。毎回授業の最初の時間帯、あるテーマについて軽くレクチャーを行うそうですが、グループワークやクライアントとのミーティングがベースになります。当プロジェクトを受講した同級生は、ある女性向けファッションブランドの成長戦略についてコンサルティングを行ったようですが、プロジェクトを通じてオペレーション、リテール、ファイナンシャルモデルなど幅広い分野に関わることができただけでなく、業界に精通したメンターから様々なアドバイスをいただけた点など、色々と勉強になったそうです。
 
写真は今学期使いそびれたものシリーズ、China Townです。
 

2015年4月29日水曜日

春学期授業(1st Spring)

期末試験まで残り2週間のタイミングですが、時間のあるうちに春学期の授業についてまとめることにしました。

・Corporate Finance(選択科目・3単位)

当校随一の看板教授でCorporate Financeの第一人者、Damodaran教授の授業は期待通りでした。授業はよく準備されており完成度が高く、かつ難解な理論をわかりやすく説明するのが本当に上手い教授なので、Financeのバックグラウンドが全くない僕でも楽しみながら学べております。ただ授業の進行スピード自体は速く、恐ろしく情報量が多いので油断は禁物です。講義ベースですが、学期中に中間テストが3回、加えてグループワークの課題が2回あるので、学んだ理論を使って企業の分析を行う機会もございます。内容については、主にCost of Capital、資金調達(EquityとDebtの最適比率)、Dividentの支払いの3項目を中心に学びました。最後のグループワークの負荷が高いので萎えていますが、最後まで粘ろうと思います。

・Leadership in Organization(選択必修科目・3単位)
 
会社、もしくは組織を分析するためのフレームワークを学ぶことに加え、組織内で個人がどのようにリーダーシップを取るかについてなど、組織論を広く学ぶ授業です。ケースのディスカッションがメインですが、一方で理論一辺倒にならないよう、授業中にロールプレイングゲームを行うなど様々な工夫が盛り込まれておりました。学生のインターンシップにも活かされる内容にしたいという教授の意向もあり、思いのほか実戦的で、いい意味で期待を裏切られた授業です。なかでもおもしろかったのがグループワークの課題で、自分たちで選んだ企業(もしくは団体)を取材し、組織としての課題の分析から改善に向けたレコメンデーションまでをまとめました。僕らのグループは、あるグループメンバーが前職で働いていたゲノム系の研究機関を調べることになったのですが、組織の規模が2年で30人から200人弱に急拡大して様々な箇所でひずみが出ていた話を伺えたのが非常に興味深かったです。ちなみにこの授業ではインターナショナルの学生があまりいませんでしたが、ユニバーサルで通用する話も多かったのでもったいない気もしました。

・Global Strategy(選択科目・3単位)
 
新興国市場(特に旧ソ連圏)に進出する際に直面する様々な課題に対してどのように対処すべきか、ケースのディスカッションベースで理解を深める授業です。担当教授がアルメニア出身(旧ソ連圏が専門)なこともあり、政治や規制に関連するテーマが多かったたのはこのクラスならではでした。前にも書きましたが少人数のクラスということでインタラクティブな雰囲気でした。ちなみにグループワークの課題でプレゼンを計4回やることになりましたので、負荷は決して低くはなかったです。

・Strategy with a Social Purpose(選択科目・3単位)

授業の内容については以前の記事の通りなのですが、こちらの授業ではグループワークで苦労しました。グループメンバーの時間に対する感覚、ペースがバラバラでグループをリードすることに苦戦をしたのが正直なところです。今学期、全授業でそれぞれ違うグループを組んだのですが、グループワークがうまくいった授業について振り返りますと、最初のうちからゴール、アプローチの仕方、スケジュールなど、大枠部分でメンバー間の合意、共通認識が取れていましたが、この授業のグループではできていなかった気がします。プロジェクトに対するやる気や考え方の違う同級生に対してどのようにリーダーシップを取るべきたったのかなど、学びと反省点の多い授業でした。

・Operation Management OPS in NYC”(選択必修科目・3単位)

あまりネガティブなことは書きたくないのですが、当初の期待を外れてしまった授業です。ニューヨーク各地にあるオペレーションの現場を訪ねることでOperationを学ぶことをコンセプトに1年前から始まった授業でして、基本的なオペレーションの各概念をビデオやテキスト(一部ケース)を個人で学んだ上で現場訪問をするのが流れです。JetBlueFresh Directなどオペレーションを強みにしている企業を訪問できたことはよかったのですが、一方で現場訪問した後に何を学んだかをディスカッション、復習する機会があまりありませんでした。グループのメンバーとは、「色々クールな企業を訪問できたことはよかったけど、結局俺らは何を学んでいるんだろう?」という話によくなりました。もしかするとこの授業で期待すべきポイントを間違えていたのかもしれません。とはいえ企業訪問で学べることは多く、決してコンセプトそのものが悪いわけではないので、例えば現場訪問の機会を半分に削った分をディスカッションに回すだけでかなりよくなる気がします。来年の改善に期待です。
 
今日は去年のニューヨークの夏のようないい天気だったので、気分転換にテラスで軽く飲んでおりました。

 

2015年1月29日木曜日

春学期スケジュール(1st Spring)

来週から春学期の授業がスタートします。12月後半から冬休みが続いておりましたのでリズムを取り戻せるか心配ですが、今学期から選択科目も選択できるようになるので楽しみな部分もあります。

さて、春学期のスケジュールですが、下記にて確定しそうです。

Corporate Finance(選択科目・3単位)  月・水曜日 10:3011:50
Leadership in Organization(選択必修科目・3単位)  月曜日 13:3016:20
Global Strategy(選択科目・3単位)  火・木曜日 15:0016:20
Strategy with a Social Purpose(選択科目・3単位)  火曜日 18:0021:00
Operation Management “OPS in NYC”(選択必修科目・3単位)  水曜日 13:3016:20

今学期は意識的に実戦重視の授業を入れるようにしました。選択必修科目のOperation Managementについては、“OPS in NYC”という実戦重視のバージョンを選択しており、学期中にオペレーションを強みにしている企業を何社か訪問できる予定です。元々オペレーションを仕事で経験しておりますので、他業種のオペレーションを見られる、またようやく自分のキャリアでの経験を活かせる貴重な機会だと捉えております。Strategy with a Social Purposeは今年スタートした新規の授業で、チームを組んでニューヨークに拠点を置くNGOへのコンサルティングプロジェクトを実施する予定です。元々社会貢献は興味のある分野でしたが、いきなり未体験ゾーンのプロジェクトに参加するということで自分に無茶ぶりをすることになりそうです。他にもNYU Sternの看板教授、DamodaranCorporate Financeなど楽しみが多いのですが、前学期のあまり成績が良くなかったので締めて参りたいと思います。

ちなみにSummer Start(夏学期)で既に6単位を取得済のため、春学期の授業を計12単位にすることもできましたが、NYU Sternで卒業までに最大で63単位取ることができるため15単位にしました(ちなみに卒業まで60単位必須)。

2015年1月13日火曜日

続・同級生が受講している秋学期授業(1st Fall)

秋学期の授業関連の続きです。同級生が選択科目で取った科目の情報をまとめていただきましたので、この場をお借りして掲載したいと思います。なお、この科目はJoshua Ronenという教授のコースについての概要を記しております。

Financial Statement Analysis(選択科目・3単位)

AccountingElectiveの一つであり、財務諸表の数値やトレンドの裏側にあるビジネスの実態を解き明かすことに主眼を置いた科目。講義ではまず教授がやや専門的・発展的なアカウンティングの原理・原則を解説し、随時生徒に問いかけながらファイザーやトヨタ、ウォルマート、マイクロソフトといった代表的な企業のケースを見ていく。

宿題はバラエティに富み、実際に手を使って様々なモデルを組み立てたり、自分なりの分析をしてから講義に臨むことになるため、非常にインタラクティブな議論となる。CPAや金融規制当局(SEC等)に勤務した経験を持つ学生もおり、思慮深い意見から学ぶことも多い。番外編として扱った、エンロンやワールドコムの不正取引の分析も示唆と教訓に富む。将来アナリストやコーポレートファイナンスの職につく人にとってとても有益な科目と言える。

同級生分含め、秋学期の授業関連は以上です。また学期ごとに授業関連記事を順次アップできればと思います。