2015年12月30日水曜日

再び秋学期の振り返り

遅くなりましたが秋学期の総括です。充実していた1年目の各学期に比べ、今学期はなんともしょっぱい学期でした。

まず、友人と組んで万全の体制で望んだつもりのEntrepreneurship Competition、あっさり1回戦で敗退してしまいました。ビジネスプランを当初案の日本市場向けのままで出したこと、日本語ベースの社名についての解説がないなど伝え方に改善の余地があったこと、対競合他社の話が弱かったことなど、今思うと敗因が色々と浮かびます。せめてビジネスプランをピッチする2回戦までは経験したかったのですが、思惑通りに事が運びませんでした。

以前記事に書いたBrand Strategyの授業のグループワークも少々残念でした。今学期の肝心の提出前のタイミングでニューヨークを離れなけれはならなかったため、最初に提出した大事な骨子案への貢献が限られてしまいました。こればかりは巡り合わせが悪かったとしか言えません。

最後に、MBA1年目に比べて余裕が出ていたせいか、全体的に慣れで仕事をしてしまった感がありました。授業の準備が少し雑になり、結果、以前に比べて得られるものが減ってしまったように思えます。成長曲線が鈍化してしまっていることがしょっぱい感につながっていることは間違いありません。

とはいえ、一方で今学期の収穫もありました。真っ先に思いつくのはBrand Strategyでの学びです。ブランドに関する様々な概念やマネージメント方法について、日本ではまだまだ定着していないと感じます。業界問わず、今後マーケティングに関わる際には必ず役に立つ考え方を得られたのは幸いでした。純粋にデジタルマーケティングへの興味も深まりました。

次の収穫は、MBAで学ぶ各科目が関連、連動していることをこれまで以上に実感できたことです。結果こそ出なかったものの、実際にEntrepreneurship Competitionでビジネスプランを作成したこと、Entrepreneurship系の授業を複数取ったことにより、これまでぼんやりだった繋がりを自分なりに具体化することができました。

最後の収穫は、同級生からの学びでした。特に今学期は、Brand Strategyの授業のグループメンバーにすごく恵まれました。例えば、Part Time MBA所属のある同級生は、これまで見た中で最もスライドづくり、プレゼンデーションのストーリーづくりが上手でした。別の同級生は、自分の考えをまとめる際、伝える際、徹底的に図に落とし込み、フレーム化していたのが凄く印象的でした。様々な業界から来た同級生から技を盗めるのはMBA期間中の今しかできないので、こうした学びに恵まれたのは今学期の収穫でした。

来学期はいよいよ最後の学期ということで、シンプルに社会に戻る前にやらなければならないこと、MBA期間中にやり残したことにフォーカスする予定です。

ちなみに来学期は夜間授業を中心に取るのですが、目的としては平日昼間の有効活用する点のほか、最後まで同級生の技を少しでも多く見て盗みたいという点もあります。あくまで個人的な見解ですが、同じフルタイムの同級生と受ける昼間の選択授業の場合、そもそも就職先が決まって授業へのコミットメントが落ちている同級生もいますし、多かれ少なかれお互いのことを知っているので新鮮な発見が少ないのではないかと思っております。その点、夜間授業の場合は平日昼間に仕事をしているパートタイム(通称Langone)が一定数を占めておりますので、新たな出会いがまだまだ期待できます。加えて、パートタイム生の方が年齢の幅、出身業界、職種の幅がより広いことを実感します。脱線しましたが、当校の良さを共有するチャンスでしたので書かせていただきました。

以上、今年最後の投稿でした。写真はEast Harlemのメキシコ人街です。

2015年12月17日木曜日

同級生が受講している秋学期授業(2nd Fall)

同級生の皆様のおかげで成立している恒例企画です。今回も当校がファイナンスだけでなく、他の分野でも魅力的な授業が多いことを実感いただければ嬉しいです。実際に取材をしている僕も勉強になりました。

Modeling Financial Statements(選択科目・3単位)

企業の財務分析や業績予測を行うための財務モデルを組み立てることを目的としたコースです。当校のアカウンティング分野での看板教授、Dan Godeが担当しており、与えられた売上や原価、設備投資、・配当等のデータが結果的にどのような財務諸表の数値につながっていくかを算出するためのモデルを組み立てます。会計知識が必須ですが、企業のビジネス上のインプットを会計上の数値に変えていくことができるようになりますので、なかなか興味深いそうです。宿題が多いことでも有名でして、毎週10個程度のモデリング作業が必要ですが、力がつくことに疑いの余地はないとのことです。試験では150行にも及ぶ実務でも見そうな財務モデルの構築が求められ、最後はアサインされた企業の業績予測を行うという極めて実践的なグループプロジェクトで締めくくられます。非常に満足度の高いコースとのコメントをもらいましたので、僕もアカウンティングが決して得意ではないため最後の学期に取る予定です。

Bankruptcy and Reorganization(選択科目・1.5単位)

Zスコアを考案した当校の有名人であるAltman教授と、リーマンブラザーズの倒産を担当した裁判官であるJames Peckが担当する半期の授業です。Zスコアについてはあくまでさらっと扱うためファイナンスをゴリゴリやる感じではなく、どちらかというと授業を担当する2人の経験談、法律や裁判関連のインサイト(誰が裁判官になるかが凄く大事であることなど)から学ぶことが多い授業とのことでした。法律用語がわからないと授業中、チンプンカンプンになるそうなので要注意です。授業中にはRestrucrturing専門のコンサルタントや某PEで働くRestrucrturingの専門家がゲストスピーカーとして呼ばれたそうです。グループプロジェクトでは実際にBankruptcyのケースについて分析、考察を行うのですが、実際に当時の裁判資料を見る貴重な機会を得られたそうです。まとめますと、投資銀行、PE、もしくは企業再生を行うコンサルタントなどを目指す場合にお勧めだそうです。ちなみに今学期がAltman教授の担当する最後の学期であるとの噂があることを追記しておきます。

Mergers and Acquisitions(選択科目・1.5単位)

Damodaran教授のValuationに近い授業で、M&Aの定義に始まり、M&Aをどの資本(株?現金?)で行うか、株と現金をどのような交換比率に設定するか、買収提案に対してどう防衛するか、M&Aがどのように株価に影響を与えるかなど、よりM&Aに特化した内容を取り扱う半期の授業です。授業は講義ベースとはいえなかなかinteractiveなもので、最終的にグループワークと期末試験で評価されるそうです。

Financial Information Systems(選択科目・3単位)

金融業界のIT関連についてカバーする授業です。金融業界についての概論から始まり、取引(ATMからHigh Frequencÿ取引まで)、規制、アルゴリズム、また規制が変わることで生じる金融業界のイノベーションなどについて、ITの専門家からの視点で取り扱っているそうです。元々授業を担当するBernard Donefer教授は金融業界で長年ITを専門にしていた方なので、金融業界全体、特にITやオペレーション関して深い見識があり、業界に関する話を聞くだけでも勉強になるそうです。授業は夜間開講でInteractive、予習と宿題はなくテスト結果で評価されるそうです。

Business Driver(選択科目・3単位)

日本人には内容のわかりにくいコース名ですが、アメリカ人にとってもそれは同じことのようです(笑)。当校のアカウンティングの第一人者、Dan Gode教授が担当するクラスで、企業の財務・経営分析を行い、企業の成長やリスクの要因(Driver)を探るという趣旨のコースです。毎週ヘルスケア、エネルギーなど特定の業界の有名企業をアサインされ、各チームでレポートを作成して発表、先生からの質問を受け、議論するという、ビジネススクールでも珍しいスタイルで授業が進みます。分析した会社はランダムでアサイン、例としてIntel, Under Armor, First Solar(ソーラーパネルの会社)など、実に多岐にわたる企業を分析されたそうです。レポートは教授から与えられた分析用のエクセルシートと、シートから得られた結果への考察をまとめたワードファイルの2点セットです。最後は自ら選んだ企業についてプレゼンを行います。レポートとプレゼンで評価されるため手ごたえは不明とのことですが(笑)、他のどの授業よりも楽しく、学びあるコースだったということは実感をもって言えるとのコメントをもらいました。

Business Law for Managers(選択科目・3単位)

ビジネスに関連する米国の法律を広くカバーする授業です。裁判所の概要から始まり、契約、会社法、法務、IP、コーポレートガバナンスについて取り扱ったそうです。特徴としては裁判のケースをベースに授業を展開するためInteractiveであること、予習の読み物はえげつなく多いこと(そのため授業のカバー範囲が広いというメリットもある)、教授の個性が強いことだそうです。授業を担当するRichard Hendler教授は生徒に愛のある熱心な教育者で、特に夜間授業の場合、毎回生徒のためにテークアウトで夕食を振舞うそうです。印象に残ったのは最初に扱ったペプシが展開したペプシポイントのケース(700万ポイントを実際に貯めてジェット機の交換を申請した方がポイント交換して応じてもらえずに起こした裁判)でして、裁判官役、原告役、被告役などにわかれ模擬裁判を授業中にやってみたそうです。

Globalization, Open Innovation, and Crowdsourcing: New Ways of Organizing(選択科目・3単位)

グローバリーションによって広がりを見せているオープンイノベーション、クラウドソーシングに関する授業です。グローバライゼーションの話からオープンイノベーションやクラウドソーシングのケース(成功例と失敗例)を取り扱ったほか、グループワークでは実際にアップワークというサイトを経由してフリーランサーにパワーポイントの制作をアウトソーシングし、当初意図した結果になったのか、どのように指示すべきだったのかなどをまとめます。オープンイノベーションのケースで例に出ていたのは、アウトソーシングをかつて一切行っていなかったLEGOが販売したおもちゃのプログラムをファンが書き換えた結果、これまで社内ではなし得なかったイノベーションを成し得ることができた、という話でした(それ以来LEGOがオープンイノベーションを積極的に取り入れたのは有名な話のようです)。授業中には某クラウドソーシングの事業会社、某金融機関(クラウドソーシングのプロジェクトを数百件抱えている側)、某スタートアップからゲストスピーカーが来場したそうです。まとめますと、限られたキャッシュ、リソースのなかでビジネスを立ち上げる必要のある、Entrepreneurship系に興味のある人にとっては、取る価値の大きい授業だという印象を受けました。

Digital Media Innovation(選択科目・3単位)

メディア企業CriteoPresidentGreg Colemanが担当する、デジタルマーケティングやデジタルメディアのスタートアップについて学ぶ授業です。授業ではほぼ毎回、ビジネス(スタートアップ)側、VC側のゲストスピーカーがそれぞれ1名ずつ呼ばれ、ビジネスを実際に行う側、ビジネスに投資する側としてそれぞれ講演を行う形で進められます。印象的なスピーカーとして、Fousquare の創業者兼CEOが挙げられておりました。グループプロジェクトではデジタルメディアのスタートアップ案をVCにプレゼンする内容とのことです。こちらの授業はまさにニューヨークの地の利を活かしており、メディア系、Entrepreneurship系に興味のある人にとって有意義な授業である印象を受けました。

写真はJewishのHanukkkaのあった週末のもので、通りにキャンドルのような装飾をかざした車がパレード(?)しておりました。Jewishの多いニューヨークならではのイベントなのもしれません。

2015年11月25日水曜日

秋学期授業(2nd Fall)

更新がしばらく途絶えておりましたが、今学期取っている授業を共有致します。

Valuation(選択科目・3単位)

当校随一の名物教授、Damodaran教授によるValuationの授業では、外から見た企業の評価手法(DCFMultiplesなど)を平易な語り口調で、豊富なinsightを交えながら学ぶことができます。小テストやグループワークがあるので負荷は決して軽くないですが、この授業を取るためにSternに来る同級生がいるほど評価の高い授業です。グループワークでは、グループごとにメンバーが選択した企業について複数の手法により評価し、どの手法から得た評価結果を採用するかについてまとめることになっております。ちなみに当校では1年目の春学期にCorporate Finance2年目の秋学期にValuationの授業を取るルートが一般的です。

Managing Growing Companies(選択科目・3単位)

スタートアップの段階を超えた企業を今後どのように成長させるべきか、成功例、失敗例のケースをベースにディスカッションする授業です。MBAの各基礎科目の知識をベースに、企業の長所、短所、機会、リスクをケースごとに分析するため、新たなフレームワークを体系的に学ぶのには適しておりませんが、取り扱うケース、教授のインサイトなど、何かと今後役に立つ気づきの多い授業になっております。Okun教授は当校の看板教授の一人で、主に投資家の立場から企業の経営に関わってきた経歴を持っております。

Foundation of Entrepreneurship(選択科目・3単位)

同じくOkun教授の担当する授業で、こちらではスタートアップの企業をどのように成長させるか、ケースメソッドで学んでいきます。スタートアップの段階ということもあり、スタートアップの成功例、失敗例だけでなく、資金調達の方法、VC側の話(どのようなスタートアップに投資すべきか)などについても取り扱います。こちらの授業についても新たなフレームワークを体系的に学ぶというよりは、各ケースで気づきを得られる感じです。ちょうど現在スタートアップのビジネスコンペに出場しておりますため、授業中の気づきをビジネスプラン作成の際に役立てたのはよかったです。

Brand Strategy(選択科目・3単位)

マーケティングのうち、ブランディングに特化した授業です。当校の看板教授のGalloway教授が担当する本授業では、ブランドという資産をどのように評価し、今後高めていくべきかについて、主にディスカッション形式で学ぶことができます。評価の半分を占める最終プロジェクトでは、グループごとに選んだブランドについて、ブランド力の評価、今後の改善策をまとめます。予選を勝ち抜くことができた組のみ、最後の授業で提言内容をプレゼンテーションすることができます(通称「Battle of Brand」)。教授がクラスの雰囲気をうまく作り出しているせいか、もしくは通常のMBA生とPart Time MBA生がほどよく混ざっているせいか、皆ガチでプロジェクトに取り組んでおり、いい意味でCompetitiveでした。ちなみに僕のチームは21グループ中4位、惜しくも入賞を逃しました。

教授はUC Berkeley HassMBAプログラム在学中、当時Brandingの第一人者であるアッカ―教授の薫陶を受けたことをきっかけにブランディングの道を歩んでおり、卒業してから合計8社のスタートアップに関わっております。現在はL2というブランドに関するビジネスインテリジェンスのサービスを提供している会社の経営に関与する傍ら、10年以上前よりマーケティングの教授を兼務しております。本授業はアッカー教授の教えをベースにしております。

当授業で特徴的なことが何点かございます。まず、授業中の発言、週ごとのソーシャルメディアでの影響度(Kloutというサイトを利用して影響度を数値化する)、小テストなどの点数を合算し、1位から最下位まで受講生をランク付けし、上位と下位10名ずつを定期的に発表することが挙げられます。最近ソーシャルメディアでくだらない投稿が増えていたのはこの影響です。次に、教授が授業(アイランドと教授は例える)で繰り広げる歯に衣を着せぬ発言が挙げられます。彼に言わせると、人間は理論ではなく感情や本能により左右されるものであり、マーケティングに関しても感情の影響が最後に大きくものを言うことを、時に辛口に、時にタブーを用いて説明します。最後に、教授の経験を元にした講義の面白さが挙げられます。ロゴを扱う回では、これまで教授が立ち上げた全会社のロゴを一つ一つ検証し、何が成功し、何がうまくいかなかったのかについて、彼のスタートアップの履歴やTake Awayを交えて説明しておりましたが、自ら起業した体験談そのもの、また本人が当時どのような意図でロゴを制作したのかを伺うことができました。

普段授業紹介でここまで長く書かないのでバレたかもしれませんが、個人的にはここまでの全授業で最もタメになる、かつ内容も面白いものでした。僕はメーカー出身だったこともあり、学んだ全ての事が目から鱗でした。

今回触れられなかった冬休み中の授業については追って記事をアップしようと思います。

写真ですが、主にセントラルパークでの紅葉を数種間前に撮ったものです。



2015年10月31日土曜日

MBA2年目がそこまで暇ではない件

MBA入学前、当時の在校生、卒業生からMBA2年目は楽になるという話を伺っておりました。実際2年目になってみた実感ですが、本人次第でMBA2年目の忙しさのレバーを上げたり下げたりできる、という言い方の方が僕にはしっくりきます。

例えば、夏休みに立ち上げたビジネスを続けている同級生、パートタイムインターンと学生生活を両立させている同級生、転職活動を続けている同級生など、MBA2年目も忙しめな同級生もおります。一方でMBA2年目を一種のモラトリアム期間にしてしまっている同級生もいます。MBAでの目標であるキャリアチェンジをサマーインターンで達成してしまったため、授業やクラブ活動のみ頑張り、週末は全米各地、もしくはヨーロッパに出掛けている友人たちがその一例です。

僕の場合はぼちぼちでしょうか。授業関連の負荷は下がっておりますが、キャリア関連、(負荷は小さいですが)クラブ活動、当校のスタートアップコンペ(200K Entrepreneurship Competition)の選考準備など、授業以外の負荷の比率が上がっております。とはいえ、山場を重ねないよう注意しながらスケジュールを組んでおりますし、睡眠時間はそれなりに確保できておりますし、ランニングやジムも継続しておりますし、何よりこうしてフリータイムを見つけてブログを更新しておりますし、MBA1年目秋学期のときの嵐のような感覚はありません。

ちなみに授業の次に負荷が大きいのがスタートアップコンペの準備です。ビジネスプランの準備そのものだけでなく、必ず参加しなければBoot Camp(ビジネスプランを書くための講習会のようなもの)の負荷が軽くないのです。これまでBoot Campは日曜日の9-16時、合計3回開催されました。ビジネスプラン作成についてはド素人なので学びは大きいのですが、当校の授業に置き換えると1.5単位分(通期の授業の半分)に相当する時間をBoot Campに投資しているわけです。

春学期もパートタイムインターンなどに関わって、最後まで最低限忙しくいられたらと思います。

写真はキャンパスから1kmの距離にあるニューヨーク名物のデリ、Katz's Delicatessenです。名物のパストラミサンドウィッチはチップ含めて$20以上と安くはないですが、肉のボリュームは申し分なく、肉の柔らかさと肉汁を楽しめる逸品です。しかもお店の雰囲気が大衆食堂のようにごちゃごちゃしているのも個人的にはプラスでした。

2015年10月30日金曜日

ハロウィーン

ハロウィーンの季節がやって参りました。1年前はハロウィーン前に包丁で指を切り、病院で指を縫ったため、ハロウィーンどころではありませんでした(笑)。今回、ようやく本意気で楽しむことができそうです。

毎週木曜日夜に開催される飲み会(Beer Blast)についても、昨晩はハロウィーン仕様になっておりました。就活や授業のある学生もいたため、仮装をしている学生の比率は半分以下でしたが、それでも雰囲気は味わえました。僕が20年前にニューヨークに暮らしていた頃、人気の衣装は怪物、お化け、海賊だったイメージがありましたが、こちらではキャラクターの仮装が人気でした。Beer Blastでは戦隊レンジャーや国立公園のレンジャーに扮した友人グループ、別会場でスーパーマリオのメンバーの仮装をしたグループもおりました。そういう意味では今の日本のハロウィーンとあまり変わらないのかもしれません。ただ、同級生のなかには仮装道具を自作(!)したメンバーもおりましたので、こちらの方ではより気合いが入っている(もしくは楽しもうとしている)のかもしれません。
 
明日は友人カップル開催のハロウィーンパーティーに顔を出す予定なので、日本酒を持参して適度に場を盛り上げようと思います。久々の短い記事でした。
 
写真ですが、昨晩いいものが撮れなかったので、せめて紅葉が進んできたセントラルパークを使います(結局微妙な写真しか撮れませんでした)。本日セントラルパークをランニングで一周(10km)してきたのですが、鮮やかな色彩に囲まれたなかでのランニングは格別でした。 

先手必勝

おそらく人によって十人十色かと思いますが、MBA期間中のスケジュール管理(特に授業関連)について僕なりに心掛けていることについて、春学期に書きそびれたので改めてまとめます。特にグループワークの場合、(大げさですが)先手必勝でスケジュール管理の主導権を握り、自分のペースにもっていくことを心掛けております。

少なくともFull Time MBAの同級生に関して言うと、計画的に授業のグループワークやプロジェクトを進めているケースがあまりございませんでした。(場当たり的と言っては言い方が悪いですが)課題提出直前まで作業をせず、直前に課題を複数抱えてヒーヒー言っている同級生を多く見ました。MBA期間中の時間を最大限活用したい僕にとって、場当たり的なやり方が効率的とは思えませんでしたので、全授業にグループワークが絡んでいた春学期にちょっとした実験を行いました。僕が取った全授業のグループワークのスケジュール管理について主導権を握ってみたのです。

まず、学期が始まるまでに履修した授業のレジュメを全てチェックし、どの時期にどの宿題の期限があるかを全て手帳にメモしました。全授業の課題を初めにリストアップしてしまうことで、学期中のどの時期に山場を迎えるか、スケジュールの全体感が掴めます。そしてここからが重要ですが、授業の課題の山場が重なりそうな場合、より話のわかるグループに対して状況を説明し、早めに課題を終わらせてしまうよう、かなり早いうちから根回しを始めることにしたのです。特に同級生の80%以上が履修しているCorporate Financeで重たい授業課題がある5月上旬は山場が重なるのが見えておりましたので、同時期に課題のある他の2つの授業のグループに対して状況を説明し、作業時期を前倒しできないか根回しを行いました。その結果、本来5月初旬が提出期限のグループプロジェクト3つのうち、1つを4月半ば、1つを4月中に提出させることができました。結局のところ5月初旬は少し苦しみましたが、それでも山場が重なるよりはだいぶ楽だったと思います。

調整がうまくいった理由として、課題が事前に終わらせられる内容であったこと、加えて事前にグループ内でスケジュール管理役として認められたことが効いたと思います。学期中も小さな課題の期限について同級生にリマインダーを送るなど、普段からスケジュール管理を自分で主導することを意識していたこともあり、僕の提案に信頼をもってくれたのだと思います。また、かつて生産計画を仕事にしていた僕にとってスケジュール管理(納期を守ること)は職業病みたいな部分もありました。

このようなスケジュール管理のやり方は決して多数派ではない気はしております。こんなやり方もあるという一例だと思っていただければと思います。

2015年10月26日月曜日

価値観

受験生の頃、MBAに行ってよかったことの一つとして、価値観が広がったという点を挙げた先輩方がいらっしゃいました。実際に2年目の秋学期に差し掛かっておりますが、たしかにMBAに行く前に比べてはるかに範囲が広がった(伸ばされた)実感があります。(アメリカ中心の学校とはいえ)多様なバックグラウンドを持つ、世界各国から集まる同級生、授業を含めたMBAプログラム、先日ご紹介した講演会など、様々な場面で日本に留まれたら得られない刺激を受けることができました。

学生クラブ主催のイベントでもそのような刺激を受けることができます。当校の主要クラブは毎年、Club主催のConferenceを開催し、卒業生などの大物ゲストをスピーカーとして迎えておりますし、それこそ単体でも色々と面白いイベントが日々開催されております。

僕が先週参加した学生クラブ主催のイベントを例に挙げると、Activist Investorsがヒーローなのか悪なのについて看板教授のDamodaran教授とMurphy教授が議論したイベント、キューバ概論(Intorduction)についてBrennan教授が講演したイベント、アフリカ開発銀行の特使がアフリカでの女性の社会進出の現状と課題について講演したイベントなどが開催されました。僕の場合、少しでもピンときたイベントにはなるべく時間をつくって顔を出すようにしているのですが、特になんとなく参加した最後のイベントでは、アジアよりアフリカの方が女性の社会進出が進んでいる現状を知ることができました。

このようなイベントに参加する価値はざっくり2点あると思っております。一つ目は純粋に知識の引き出しの数を増やすこと、二つ目は特にピンときたことを追って深堀りする、いいきっかけになることです。引き出しを増やすことで得られる横の広がり、新たな引き出しをきっかけに深まる縦の広がり、これらを通じて受け入れられる物事の幅が広がり、人間的に成熟することに繋がると思います。

何でこのようなことを書いているかというと、価値観が広がるような機会をもらってばかりで満足しているのではなく、少しでも返すことを意識しなければならないなと、ふと思ったからです。そういう意味では春休みに開催したJapan Trekでは間違いなく同級生に取って価値観の広がるEye Openingな体験を提供できたと思っておりますが、卒業まで時間があるので、価値観の広がる、そんな切り口でイベントを開催するのもありだと考えております。

写真は黄昏の国連本部前です。

2015年10月25日日曜日

最終学期の授業を選ぶ

全く実感が湧きませんが、いよいよ最終学期の授業を選択する時期がやって参りました。去年の今頃はまだ1年目の秋学期だったことを考えると、本当にあっという間にここまで来てしまいました。今回は最後の学期ということで非常に悩ましいです。10月後半から登録期間が始まったのですが、既に何度も内容を修正しております。

今回は最終学期の授業を選ぶ際の自分なりの基準を備忘録で残します。ちなみに僕は既に48単位を取っておりますが、当校では3単位を追加料金なしで取ることができますので、最終学期も15単位(1授業=3単位)を取る予定です。

MBA後のキャリアに関連のある分野

授業を選ぶ際の基準として、おそらく同級生が最も重視する点だと思います。当たり前の話ですが、そもそもほとんどの学生に取ってMBA=就職予備校という側面があるので、授業を通じて卒業のキャリアに備えようとします。僕の場合、過去Corporate FinanceValuationBrand Strategyなどの授業をこの基準で選びましたが、最終学期は大企業に戻ることを加味し、組織の政治面に特化した授業、変革する環境の中でのどのように組織をマネージメントするかについてフォーカスした授業を取るつもりです。特に政治についてはこれまで苦手意識があり、あまり関心もなかったのですが、MBAに来てからそんな姿勢ではダメだと思い直しております。

MBA期間中に興味の出た分野

MBA後のキャリアと直接関連するかはさておき、興味のある分野の授業を選ぶ同級生も多いと思います。MBAのプログラム、授業、多様なキャリアを歩んできた同級生に刺激されて、これまで興味なかった分野に興味が出るというよくあるパターンです。自分の場合はEntrepreneurshipStrategyがこれに該当しますが、最終学期もビジネスプランのデザインに特化した授業を一つ取り、ビジネスプランを作る練習を重ねたいと思います。

MBA期間中だからこそ手を出せる分野

厳密に言うとMBA期間中だからこそ学べるものは特にないかもしれませんが、今後のキャリアに直接的には関連しなそうな分野など、今だからこそ手を出しやすい分野はございます。例えば、せっかくニューヨークの学校に来ているので、エンターテインメント系やメディア系の授業も取る、というのも該当すると思います。僕の場合、MBA受験時に興味のあったSocial Impact系の授業については最終学期も何か一つ取りたいと考えております。ニューヨークの立地に関連し、学校として力の入れている分野の一つである都市問題系の授業は面白そうです。

・その他

当校では2年目にProfessional Responsibilityという1.5単位の倫理系の授業を必修で取らなければならないのでで、もう一つ1.5単位の授業をセットで取ることができます。この1.5単位を何に割り振るか悩んでおりますが、春休み期間中に開催されるDBiDoing Business in)プログラムに参加し、同級生とこれまで縁のなかった国を訪ね、ビジネスを学び、価値観を広げるのもいいかもしれません。ほとんどのMBA1年生はこの時期、クラブ主催のTrekJapan Trekなど)に参加するため、春学期のDBiMBA2年生が主に参加します。そのため同級生とキャッチアップする機会にもなります。

ちなみに当校ではオンラインで教授の評価をチェックすることができますが(CFE)、年によって評価が上下するという噂を聞いておりますので個人的にはあまり参考にしておりません。それよりも口コミやシラバスの内容をチェックします。ちなみに同級生の場合、看板教授の授業だから、皆が取っているからという理由で授業を選ぶケースもありますが、僕の場合は既に秋学期までに看板教授の授業をある程度取ってしまったので、今回は基準としてリストアップしませんでした。

写真はCentral Parkでランニングしたときのものです。NYでも紅葉が始まっており、今週末以降に見頃を迎えそうです。

2015年10月22日木曜日

2年目の英語力

先輩方のMBAブログを読んでおりますと、実際に英語力がどの程度伸びたのか、ということに触れた記事をよく目にします。まだ卒業まで半年以上ありますが、英語関連でちょっとしたことがあったので備忘録を残します。

僕は6月から2か月間、日本に帰国しておりましたので、秋学期の最初のうちは英語から離れていたブランクに悩むのではないかと覚悟しておりました。ところが、秋学期の始まった9月以降、飲み会で同級生と再会(catch up)した際、「英会話の腕が上がったんじゃないの?」と言われることが結構ありました(手前味噌ですみません)。予想していなかったコメントをもらったことはもちろん嬉しかったのですが、同時に「これはどういうことだろう?」と凄く気になりました。

1年前と現在の英語を比べると、明らかに変わったのは英語を話すスピードを意図的に落としていることでした。話すスピードを落とした理由は2点あります。春学期にも投稿しましたが、僕の英語にはFiller(「Um」「Ah」「I mean」「You know」)が凄く多かったので、Fillerを少しでも減らすべく、春学期の終盤から話すスピードを落としておりました。それに加え、6月から2ヶ月間英語を話していなかったブランクがございました。そのため、特に秋学期の最初の方は開き直ってゆっくりマイペースに話しておりました。どうもこれがいい方向に作用しているようです。

もちろん英語中心の生活をしていたので、単純に会話がうまくなったこと、言葉も出るようになってきたこともあるのでしょうが、英語を話すペースが一定になったこと、加えてリズム感がよくなったこと、これが英会話の腕が上がったというコメントにつながったのではないでしょうか。今思うと入学していた頃は、無謀にもNativeに追いつけ追い越せとばかりに、かなり早口で話しておりましたが、元々言葉に詰まりやすいタイプのため、言葉に詰まるとFillerが出たり、間ができたりしておりました。おそらく話すペースが乱高下していたように思えます。加えてペースが一定ではなかったので、話すリズム感も決してよくなかったと思います。自分が聞く側になるとよくわかるのですが、Fillerが多くてペースやリズム感が一定ではない英語は聞き取りにくいです。今思うと聞く側の立場に立っていない英語でした。
 
あくまで個人的な意見ですが、別に早口の英語を話せなくてもアメリカ社会では問題ない気は致します。NBCのキャスター、Brian Williamsもゆっくりとした聞き取りやすい英語で何年もメインキャスターを張っておりました。1年間のMBA生活で、今更Nativeの英語を完全には再現できない(というかする必要もない)ことがよくわかりましたので、これからも全力投球ではなくコントロール重視で会話をすることを意識し続けます。思わず言葉に詰まりそうになったとしても、ゆとりがある分だけ対応しやすいのもポイントだと思います。
 
写真は先月開催されたLaba Partyでして、バーに繰り出すパーティー系のイベントとしては最も盛り上がるイベントの一つです。顔がはっきり映らないようにあえてボケた写真を採用しております。

2015年10月8日木曜日

著名人の講演会祭り

当校がニューヨークにキャンパスのあることのメリットとして、特にファイナンス系、ラグジュアリーブランド系、メディア系のビジネスの中心地へのアクセスが抜群なこと(夜間授業の教授も現役で働いている方であることもあります)のほかに、著名人が学校に立ち寄りやすいことがあります。これまで後者に関する記事がなかったので共有します。

どういうわけかこの2週間、学内で著名人の講演会が集中する期間でした。今週の月曜日に開催されたTimothy Geithner前アメリカ財務長官の講演会に出席できなかったのは残念でしたが、次の著名人の講演会に出席することができました。

Daniel Schwartz現Restaurant Brands International (旧バーガーキング) CEO
Gordon Brown前イギリス首相
James P. GormanMorgan Stanley CEO

かつて一国を代表していた人物、現在大きな組織を率いる人物がどのような人となりなのか、興味を持っておりましました。さすがに大きな組織を率いた経験があるだけに絶対的な自信を持っておられた一方で、親しみやすさと言うか、懐が深く人間味に溢れておりました。気取らずありのままの自分で聴衆一人一人と対話をするかのように語り掛けていたのが印象的でした。百戦錬磨の経験がなせるものなのかはわかりませんが、自分も身に付けたいものです。

もう一つ印象的だったのは、リーダーシップに魔法とか近道がないことを改めて感じたことです。Morgan Stanley CEOが語られたリーダーシップに関する話が、いい意味で聞いたことのある当たり前の話でした。

・重要な決定事項を行う際は、一人で決めずになるべく色々な人に意見やアドバイスを聞くようにしてきた。
・リーマンショック後に外部からCEOとして迎え入れられたとき、自分は投資銀行業務については門外漢だったので、正しい人物に正しい質問をすることを心掛けた。

この話を聞いたとき、おそらく今後様々な著名人方にリーダーシップについてお話を伺ったとしても、似たような話を聞いて終わりそうな気がしました。

これまでリーダーシップということをMBA生活の肝の一つにしてきましたが、MBA生活を一年間経験した結果、実地経験に勝るものはないと考えるようになりました。もちろんMBAの授業やリーダーシッププログラム、著名人の講演会の機会などで時折一歩引いた目線で俯瞰することも大切ですが、話を聞いていたりするだけでは自分の身にならないですし、実際この1年でいちばん自分の身になったのは、Japan Trekやコンサルティングプロジェクトなどで実際に試行錯誤して学んだことです。

とはいえ、このような気づきができたのもこちらでMBA生活をしているからこそです。残り8ヶ月、少しでも得るものを得て終わりたいと思います。


2015年10月7日水曜日

取材活動

前回書きましたアントレのコンペに関するお話です。ビジネスプランを具体化する際、市場にどのようなニーズ(unmet needs)があるのか、ビジネスプランがどのようにニーズに応えるのか、どのようなりソースを必要とするのかなど、まずはある程度骨子をまとめるようですが、次の段階で作成したビジネスプランが現実的なのか、市場の規模が十分なのかなどについて確かめる必要があります。ビジネスプランの授業ではビジネスプランをまとめる際、ターゲット層に取材すること(ある程度の数が必要)を強く推奨しております。そこで急遽、僕らも取材活動をすることになりました。

2週間で30件もの声を集めたのですが、MBA前に営業を経験していた僕はその大半を引き受けることになり、9月の後半、時間を見つけてはターゲットのお店を訪問して話を聞いておりました。取材した結果、マーケットサイズが十分でない結論になり、別のビジネスプランで攻めることになったのは残念でしたが、取材活動そのものはなかなか面白い経験でした。

今回僕が主に取材した先はカフェ、レストラン、ワイン専門店だったのですが、勤務をされている方々のお時間をいただくので、話せても数分しか時間が取れませんでした。そのため、限られた時間でつかみを取り、最低限抑えなければならないポイントを聞く必要があります(感覚としては時間の取れないMRの営業活動に近いかもしれません)。これまで経験してきたB to Bの営業とは違い、応接室には通されませんし、雑談して徐々に核心にせまるやり方は通じません。しかも使う言語も英語です。特に最初のうちは簡潔に話せず、余計な内容に時間を費やしてしまっておりました。

試行錯誤した結果、明るく挨拶すること、最初にお店のコンセプトやデザインについて質問してきっかけをつかむこと、以上2点だけは注意するよう心がけました。1年間海外に住んでみて改めてよくわかったのですが、挨拶が大事なのは世界共通です。むしろ日本以上に気をつける必要があるのではないかと思うことさえあります。特に今回のような短時間の取材では最初の導入部分でコケるわけにはいかないので気をつけました。最初にお店の質問をすることの狙いとしては、相手に自分が興味を持っていることを知ってもらうこと、相手の心のガードを下げること(いきなり本題のビジネストークをすると往々にして身構えられます)、自然とトークの展開に持っていることなどです。特に熱心な店員さんの場合、自分のお店のことを聞かれて喜ばないわけがありません。冗長に話す癖と最後まで悪戦苦闘しましたが、最初の導入部分は注意を払っておりましたので、最低限の話だけは聞くことができました。少しだけこちらで営業のような経験ができたのは素直によかったです。

もう一つ申し上げると、今回の経験でアントレの難しさも幾ばくか感じました。そもそも授業でアントレの成功率がざっくり2割程度ということ、うまくいった事業でさえ途中で軌道修正するケースが非常に多いことを聞いていたのですが、たしかに一筋縄ではいかないようです。

ちなみに今回の営業活動の副産物と言いましょうか、学校周辺のカフェにやたら詳しくなりました。今回はほぼホームグラウンドのダウンタウンに絞って営業活動をしましたが、お馴染みのスターバックス、Pret A Manageのほかにも 小規模のチェーン店や個人経営のカフェが点在しておりました。おそらく学校周辺数キロ圏内だけでも3桁ほどのお店があるようでして、しかもお店の雰囲気もバラエティーに富んでおります。余計な装飾を店内に施さず、シャープに店内をまとめるお店もあれば、絵画を飾ってアート感を全面に押し出すお店もあり、本当に様々です。デザインのコンセプトに関しても、デザイナー会社を雇ってきちんとしたブランディングのコンセプトを元にデザインされたお店もあれば、単にオーナーの趣味でデザインされたお店もありました。お店ごとに様々な個性があることを感じながら営業活動を楽しむことができましたし、カフェを見る視点が少し変わりました。

なお今回初めて知ったのですが、ダーティーチャイというチャイとエスプレッソを混ぜ合わせた飲み物がこの世に存在します。せっかくなので試してみたところ、微妙な味でした。本場インドの街角の屋台で飲む熱々のチャイが世界でいちばんおいしい飲み物だと思っている僕にとっては、エスプレッソの苦味がチャイの旨味を殺してしまったと感じます(そもそもこちらのチャイティーラテもクリームとシナモンが強すぎるのでそこまで好きではありません)。

とはいえ、今回の取材でニューヨークには素敵なカフェがあちこちにあることがよくわかりました。こちらへいらっしゃることがあれば、ぜひカフェ巡りもご検討ください。

2015年9月19日土曜日

秋学期スケジュールほか(2nd Fall)

既にMBA2年目に突入して3週間たってしまいましたが、秋学期のことをまとめてみました。僕がMBAに行った目的の1つにグローバルな環境でリーダーシップ経験を積むことがありましたが、わりと1年目で目標を達成できた実感があるため、2年目はMBA期間中にしかできないことによりフォーカスしようと思っております。

・スケジュール

Valuation(選択科目・3単位) 月・水曜日 10:3011:50
Managing Growing Companies(選択科目・3単位) 火・木曜日 13:3014:50
Foundation of Entrepreneurship(選択科目・3単位) 火・木曜日 15:0016:20
Brand Strategy(選択科目・3単位) 火曜日 18:0021:00
Global Social Impact Strategy(選択科目・3単位) 冬休み期間中

学期期間中に取る授業は4コマのみ、しかも2年目でペースは掴めているので授業そのものの負荷はそこまで大きくない状況です。見事に看板教授の授業ばかり並んでしまいました。Managing Growing CompaniesFoundation of EntrepreneurshipEntrepreneurship寄りのもので、会社を立ち上げる、もしくは成長させるための戦略についてケースメソッドで学ぶ授業です。Valuationは外部からの企業評価する手法、Brand Strategyはブランディングについて学ぶ授業で、その道の第一人者から学べるので楽しみです。なおGlobal Social Impact Strategyは、冬休み期間中にグアテマラに行き、NGOへのコンサルティングプロジェクトを行う授業です。

なお、この投稿をする数日前に、毎週Tiwtter、Tumblr、Buzzfeedなど主要メディア会社のExecutiveが毎週のように講演する、Digital Media Innovationという面白そうな授業の存在を知りましたが、履修が間に合わず…手遅れでした。

・クラブ関係

今年度はJapan Business AssociationPresidentをやらせていただいております。今年度のクラブの活動については当校の在校生ブログに投稿している通り、学校の非公式説明会など色々と新たな試みを行う予定です。クラブ内の役割としては、学校との折衝、予算、イベント、役員選出、役員会運営などで、当たり前ですが何かと根回しを行う機会が増えてきました。今月に入り、特に日本人以外の新MBA1年生の役員候補者をリクルーティングすべく活動しておりますが、リクルーティングする側に回る経験は今回初めてなので、色々勉強させていただければと思っております。

・その他

少なくとも秋学期はEntrepreneurshipに力を入れます。というのも、当校の200K Entrepreneurs Challengeというビジネスコンペティションにある友人と組んでチャレンジすることになりました。こちらのイベント、通常のビジネスプラン、ソーシャル系、テック系の3ジャンルについて、最もよいビジネスプランを1年間掛けて決める当校最大規模のコンペです。秋学期に書類選考、予選ラウンド、春学期に準決勝、決勝ラウンドが行われます。

ちなみに相方は秋学期にビジネスプランの組み立て方を学ぶ授業を受講しているため、授業の進捗に沿って準備を進めることになりました。授業で紹介されるフレームワークをハンズオンで使うので勉強になりますし、毎週授業で出る課題に沿って準備できるのでいいペースメーカーになっております。見方を変えると、彼の授業の宿題に手を貸していることは内緒です(笑)。既に彼が提出したビジネスプラン案のプレゼン資料に、チームメンバーとして僕の名前が顔写真と一緒に紹介されてしまいましたので、最後までとことんお付き合いします。

真面目な話、ビジネスプランを作成することだけでも、これまで学んできた各科目の知識や経験を横断的に使いこなさなければならないのでバカにできません。1年目に学んだことを復習しながら、また各科目の繋がりを今一度意識しながらプランを作成する経験は、これまで事業会社でしか勤務経験のない、ビジネスプランの1つも書いたことのなかった僕にとってはいい訓練になりそうです。

写真はNYU Sternの入口、現カフェ、教室の写真です。休日に撮影したのでがらんとしておりますが、授業のある平日は入口付近に学生が溜まっております。

 
 
 

2015年9月9日水曜日

【告知】日本人在校生による非公式説明会

久々の投稿が告知ですみませんが、今年から日本人在校生メンバーで新たな試みをしますのでご紹介します。

当校のJapanese Business Association主催で、学校の非公式説明会を開催する運びとなりました。下記の日程でYou ubeを通したライブ放送を行う予定でして、プレゼンテーションと質疑応答の時間を設けます。9/28(月)にAdmission主催の公式説明会、NYU Stern Presentationが開催される予定ですが、本イベントとはリンクしておりませんのでご注意願います。

・日程(日本時間)
9/18(金)21:0022:00 (社費生担当)
9/24(木)21:0022:00 (私費生担当)

今回は社費と私費向けでイベントを分けてみました。社費か私費かによって関心のあるテーマ、質疑応答の際の質問が少し異なるきらいがあると考えたため、いっそ説明会を分けてみることにしたのです。

参加ご希望の方々、下記のリンク経由での事前登録をお願いしております。

Google Forms::

僕も私費生担当の説明会に参加する予定です。皆様の疑問にお答えするのを楽しみにしております。
 
写真はUpper East在住の友人宅の屋上から撮影したもので、East Riverの素敵な眺めを堪能させていただきました。

2015年8月17日月曜日

The Daily Show with Jon Stewart

MBAに全く関係のない話ですが、昨年末「Colbert Report」放送終了の記事を書いたので、今回も書かないわけにはいきません。先週分の放送をもって、「The Daily Show」のホスト、Jon Stewartが番組を卒業しました。昨夏、番組収録に友人と参加するほど好きな番組でしたので、少しセンチメンタルな気分です。

The Daily Show」はComedy Centralで政治などのニュース素材を面白おかしく伝えるコメディー番組で、過去エミー賞受賞歴もある人気番組です。番組中にはリポーター役(芸人)が偽の、もしくは本物の現場中継を行うコーナー、番組後半にはゲストへのインタビューを行うコーナーがございます。バラエティー番組の枠に留まらないのが当番組の凄いところで、2011年に当時アメリカ共和党のティーパーティー運動など急進派が対立を煽り立てていたことを受け、「Rally To Restore Sanity and / or Fear」という、アメリカが正気を取り戻すための集会をワシントンDCで開催したこともありました。番組のリポーター役をイランへ派遣して特集コーナーを組んだこともありました。ちなみに以前記事に書いた「Colbert Report」ですが、元々当番組でリポーター役を務めていたSteven Colbertがスピンアウトする形で始まった番組です。

僕は友人から番組を教えてもらった2008年から長い間お世話になっており、MBA受験中も欠かさず見ておりました。何より英語のシャワーを浴びながらストレス解消ができましたし、当番組を通じてニュースだけではわからないアメリカ事情について理解が深まりました。気に入ったエピソードについては何度も復唱したり、フレーズを取れ入れたりしておりました。大学卒業前に中東へ旅行するきっかけになったのも当番組です。オバマ旋風が吹き荒れていた当時、一部共和党陣営からオバマはイスラム教徒だとするデマが流されていたことを紹介するエピソードが見たことがきっかけで、これまで全く縁のなかった中東に興味が湧き、実際に旅行してしまいました。

今後は別のコメディアンが当番組を引き継ぎますが、今後これほどまで自分に影響を与える番組に出会えることはなさそうです。これまでの7年間に感謝しつつ、彼の門出を祝いたいと思います。

写真は学校のカフェですが、今年の夏に模様替えする前のバージョンです。

2015年7月25日土曜日

MBA夏祭り

8週間のインターンが終わってNYへ戻りました。可能であれば今後記事でざっくりと紹介できたらと思います。

記事のアップが遅くなりましたが、この前初めて在校生としてMBA夏祭りの当校ブースに参加してきました。多くの受験生の方とお話させていただきましたが、その際に当ブログでカバーしていない質問を1ついただきましたので紹介します。キャンパスビジットできない場合、どのようにすれば学校を知ることができるか、という内容でした。

ありきたりですが、なるべく多くの在校生か卒業生と話をすることをお薦めしました。Admissionの学校説明会だけですと学校ごとの違いが分かりにくいですし、学校に対する見解も聞く人によって異なることもあります。加えて強くお勧めさせていただいいたのは、日本人以外の在校生ともコンタクトをすることです。特にアメリカのビジネススクールの場合、日本人の比率が1%未満~2%の学校が多いと思います。逆に申し上げると、MBAに入学しますと日本人以外の学生がほとんどだということです。彼らとのフィット感を確かめるという意味でも、現時点での会話力を確かめるという意味でも、Admissionに熱意をアピールする意味でも、彼らとのコンタクトをとるべきだと思います。ぜひ時間をつくって、彼らがどのような理由で学校を選んだのか、どのような学生生活を送っているのか、などテーマを絞って話を聞いてみましょう。僕の場合、当時コンタクトした在校生、卒業生の半分弱は日本人以外の方でした。

コンタクト方法としましては、日本人在校生のツテでご紹介いただくほかに、在校生へ直接メールで依頼する方法がございます。例えば学生クラブのホームページの(ボードメンバー欄、もしくはその他学校関連のページを探すと、学生の顔写真と連絡先(メールアドレス)が載っております。僕の場合はそこで興味のある方を探し、その方に学校に興味があること、30分程度Skypeで話を伺いたい旨をメールでお願いさせていただき、そのうち半数の方々とSkypeさせていただくことができました。

ここまでやった方は少なくとも僕の周りにはあまりいませんでしたが、失敗してもノーリスクなので試してみてくださいませ。

写真は経由地のシアトル・タコマ国際空港です。

(追記)

もう一つこれまでのブログで触れてこなかったこととして、アメリカのMBAに入ることの意味についても簡単に触れたいと思います。より国籍のダイバーシティーに富んでいる欧州のMBAに比べ、アメリカのMBAの学生の場合は凡そ60%以上がアメリカ人で構成されております。残るインターナショナルの学生についても、アメリカで教育を受けたことのある、もしくは勤務したことのある学生がかなり多く、純粋な意味でのインターナショナルの学生の比率はさらに下がります。アメリカのMBAは多数派のアメリカ人が中心で、日本人含めてインターナショナルの学生はアメリカ人の学生の国際感覚を鍛えるために存在している部分がどうしてもございます。アメリカのMBAに入る場合、そのような環境下でご自身の「Why MBA?」を満たせるのか、ぜひご留意ください。

2015年6月28日日曜日

ソフトスキル

しばらく更新が滞っておりました。現在日本に一時帰国しております。6月より8週間、ある製薬メーカーのインターンでお世話になっており、ちょうどインターン期間の半分が終わったところです。

残り1年という期間をどのようにレバレッジしようかと今でもすごく悩んでおります。秋学期はアントレ方面へシフトするのは間違いないのですが、最後の春学期ではソフトスキル系の授業を多めに取るべきではないか、そう考えるようになりました。もちろんソフトスキルを鍛えるタイミングはMBA期間中でないといけないわけでもないですし、授業でできることにも限りがあることもわかってはおりますが、一方でMBAの意義の一つとして(よくある言葉ですが)unconfortable zoneに触れることだと思っております。

もちろんソフトスキルとひとくくりにいっても色々で、同じソフトスキルでも人たらし(?)に関しては決して悪くないと勝手に思っておりますが、リーダーシップに関わる能力、特に交渉スキルやプレゼンテーションスキルについてはかなり改善する余地があると思っております。交渉やプレゼンテーションなどソフトスキルを使う場面では失敗してもリセットボタンを押せないですし、働き出すとなかなか重点的に演習する機会はないですので、授業など様々な機会を活かしていきたいと思います。

MBA卒業生の方々にお会いすると、最後に残るスキルはハードではなくソフトだという意見を多く聞きます。おそらくアメリカ人に囲まれての交渉の授業、昨夏授業を受けたときと同様にみじめな思いをしそうですが、人生のどこかのタイミングで必ず苦労することになるわけですし、諦めて頑張ろうと思います。

写真ですが、今年のハロウィーンで使おうと思っているマスクを撮ってみました。
 


2015年5月25日月曜日

【告知】ゲストハウスioriのご紹介

度々の告知で恐縮ですが、他校MBAの友人が関わっているゲストハウスのビジネスを紹介させていただきます。海外にバックパッカー旅行する際によくあるゲストハウスが日本にはあまりない気がしますので、ぜひ頑張ってほしいです。

https://www.facebook.com/guesthouse.iori/posts/733855430058522?photo_attachments_list[0]=733855126725219&photo_attachments_list[1]=733855150058550&photo_attachments_list[2]=733855280058537

http://iiyoiiyoiiyo.blogspot.co.uk/


写真ですが、今月月初にOperation Managementの授業で訪れた、Long Island東端のFire Islandです。

2015年5月23日土曜日

【告知】同級生のJapan Trek記事

Summer Start(夏学期)からの友人がJapan Trekのブログ記事を書いてくれました。この場をお借りしまして紹介します!写真は例のごとく関係ないものですが、先日授業で行くことができたオペラの一幕です。

http://blogs.ft.com/mba-blog/2015/05/20/travel-can-make-you-a-better-leader/

2015年5月16日土曜日

春学期の振り返り(1st Spring)

あっという間にMBA生活の1/2が終わってしまいました。昨年7月からのニューヨーク生活がついに一区切りを迎えることも含め(来月よりインターンの関係で8週間日本におります)、色々と実感がございません。また、昨年の今頃、授業についていけるか不安だった自分に、卒業はなんとかなると普通に思えるほど余裕が出てきたのも不思議な感覚です。

本ブログも細々とですが、おかげ様で無事に最後まで更新することができました。ただ、今後は更新頻度が落ちるかもしれません(MBA生活に関係ない夏休みに書くことがあるかも謎です)。NYU SternでのMBA生活をお伝えするのが本ブログの趣旨ですが、これまでの記事である程度目標を達成できた気がするのが理由です。もちろんこれまでの記事になかったような話については書くつもりです。

話が長くなりましたが、今学期の振り返りです。

・まず秋学期の反省点はどうなった?

スピード不足、ニューヨークの立地を活かすという2点については大幅に改善できたと思います。今学期は全授業でグループワークがあったのですが、グループ内でのコミュニケーションのスピード感にも慣れてきましたし、グループ内での貢献の仕方が分かってきました。マメな性格を活かしてプロジェクトの管理(スケジュール含む)やスライド纏めなどを先導し、多くの授業で全体統括の役目を担うことができたと思います。ニューヨークの立地を活かすという点では、今学期コンサルティングプロジェクトに参加することで改善できた気がします。限られたなかですが、学校内のプラットフォームに限らず立地を活かす機会を今後も探りたいと思います。リスクを取ることについては引き続き要改善です。

・グループ内でのリーダーシップ

前にも書きましたが、スタディーグループやプロジェクトのグループに関し、より円滑に纏め上げることができたのではないかと感じております。事前に各メンバーのゴール、意識、スケジュールなど、大枠部分でメンバー間の合意、共通認識を取るだけでも改善できると思いますし、他にも手がありそうな気がします。次の秋学期は今学期ほどグループで学ぶ比率は高くなさそうですが、意識してみたいと思います。

・安定感

特にJapan Trekなど大型プロジェクトを経験した今学期、(基本中の基本ですが)精神を安定させることの重要さを改めて感じることが多かったです。特に僕の場合、元々テンパりやすい性格に加え、ペース配分をこれまであまり意識せずに日々過ごしていたので(野球で例えると9回を投げることを意識したペース配分をせず全力投球してしまう力投型の先発投手のような感じ)、精神面も含めて好不調の波が激しい気がします。リーダーシップを取るため、信頼を得るためにはパフォーマンスの安定は不可欠だと思うので、Leadership in Organizationでもらったいくらかのtipsを早速実践しております。

・英語の壁?

今学期は英語の壁にぶち当たっていると感じることが増えた気がします。というより、秋学期まではfillerなども気にせず思うがまま英語を話しておりましたが、今学期になって同級生から英語に関するフィードバック色々もらうようになり、それを取り入れようとして試行錯誤しているのかもしれません。同じことを繰り返して言う癖があること、早口で話すときにfillerが凄く出る癖があるそうです。最近、学校内のポジションの面接を通過できなかったのですが、引っかかった理由の一つが英語のデリバリーだと思っております。今は癖になっているfillerを抑えるべくスピードを大幅に落として話すことを意識しておりますが、一方で話し方がぎこちなくなっている(持ち前のハツラツさを失っている)気もしております。いい塩梅が見つかるまで試行錯誤を続けようと思います。


・優先順位づけ

MBA生活において必ずつきまとう命題です。今学期はJapan Trek、コンサルティングプロジェクト、複数のケースコンペなど、自分がやろうと思っていることにフォーカスできましたので、秋学期に比べて充実感があります。とはいえ、決してキャリアが強いわけではないことは自覚しておりますので、MBA2年目を最大限活用するために(2年目になって手綱を緩めることのないよう)あえてリストアップしておきます。

・その他

こちらは別に反省点ではないのですが、現状を受け入れることが昔よりできるようになった気がします。僕の場合、20代前半まで色々な面で努力を怠っていたツケに今も苦しむことがありますが、どんなことを過去には戻れないですし、未来を少しでもよくすべく努力を続けようとこちらに来てから開き直れたと思います。人生はマラソンですし、長い目で努力を重ねてこられた方々にも追いつけるかもしれませんし。

書いてみたところ基本的な項目が並んでしまいましたが、こうして色々と反省点を並べられたのもMBA生活のおかげだと思っております。当たり前の話ですが、大人になると周りから言ってくれることが少なくなるので自分で色々と気づく必要がある一方、自分では気がつきにくいことがあることも確かです。その点、MBA生活においては同級生や教授からフィードバックをいただける機会が多いですし、自分の事を考える(考えさせられる)機会に恵まれています。間違いなくMBAの良さの一つではないでしょうか。

写真は今学期使いそびれたものシリーズ、Times SquareColumbus Circleです。

 

学生寮生活

昨日最後のテストを終え、MBA1年目が終わってしまいました。あっという間に全速力で駆け抜けた感じでした。春学期の振り返りは別記事で書くとして、書き忘れた学生寮の話を少し書きます。

当校には、MBA生の単身向けの学生寮、Palladiumがございます。ちなみに僕は昨年7月より生活しておりますが、とうとう今晩退去します。部屋の写真がすっからかんなのもそのためです。

何といっても学生寮生活のよいところは、ニューヨークのタフな不動産探しに追われずに済むこと、家具付き物件なのであまりセットアップのために買い物をする必要がないこと、同級生(特にインター⁻ナショナル生)との友達付き合いがしやすいことでしょうか。加えてPalladiumのよさとして、同じビルの地下にジム、1階にスーパーのTrader’s Joeがあること、Union Square至近に住めることです。欠点は家賃の高さで、ビジネスホテル1室程度の広さで2,000ドル/月支払っております。部屋の広さも狭めでバスタブがないので、1年生のときにPalladiumに住むMBA生が夏休み以降、Palladiumから退去するのがよくあるパターンです。

賛否ある学生寮ですが、個人的は特段不満はありませんでした。あまり部屋の広さは気にしませんし、学生寮で普段クラスでは会わない同級生と交流することができましたので、住んで得るものはあったと思っております。面倒くさがりなので2年目も寮に残ることになりそうですが、学生寮に入居する際にはプラス面とマイナス面をよくご検討いただければと思います。

2015年5月12日火曜日

同級生が受講している春学期授業(1st Spring)

同級生のご協力あって成り立っている恒例企画です。当校の授業のバリュエーションを感じていただければと思います。

・Global Economy(選択必修科目・3単位)

マクロ経済を学ぶ授業で、印象としては仕事で直接使うというより、仕事をする上で常識として知っておく必要のある科目とのことでした。GDPの計算方法から、労働環境など各種要因により経済がどのように変化するか、などを扱います。基本レクチャーベースで授業が進められますが、グループワークの比重も高く、ケース分析を行ったり、グループごとにアサインされる特定の国についての経済予測を取り纏めてプレゼンテーションを行ったりします。

Programming in Python(選択科目・3単位)

一言で言うとプログラミングの授業です(MBAの枠だけでも幅広い分野の授業が履修できる例ですね)。プログラミングを行うための言語(パイソンなど)の習得に加え、ウェブサイトから情報を抽出するアプリケーションをグループごとに実際につくるそうです。同級生の所属したグループは最終課題で、クリップアートを比較するサイトを立ち上げておりました。アメリカにおけるプログラミングという学問はより常識に近い扱いで、金融業界でも使われることが多いとのことです。

Investment Banking(選択科目・3単位)

マーケット、投資銀行サイドの両方でキャリアを積まれた名物教授、マーフィーが行う業界のイントロダクション的な授業で、投資銀行に興味のある学生(主に2年生)が受講しているそうです。授業は講義形式(グループワークやディスカッションはなし)、学期中の2回のテストで評価が決まるそうです。教授の雑談(経験談)がおもしろい、教科書(リーディング)がおもしろい、最近の記事が中心でトレンド感を知ることができる(アメリカが業界の最先端をいっているとのこと)などの理由で人気の授業です。別の友人はテスト前にかなりの量の読み物をレビューしなければいけないことをボヤいておりました。

Global Wealth Management and Private Banking(選択科目・3単位)

その名の通り、プライベートバンキングを学ぶ専門的な授業です。ケースのディベートに加え、ケースにまつわるゲストスピーカーの講演を中心に授業が進みます。毎回宿題(ブリーフィング)が課題として出されるので負荷は軽くはなさそうですが、業界に興味のある人によってはおもしろい授業とのことです。例えばプライベートバンキングのマネージャーになった際、複数の候補者のうち誰を昇格させるべきか考えるケースなど、かなり具体的なテーマを扱うそうです。ちなみに当クラスは夜間授業のため、パートタイムの学生ともチームを組んだりディスカッションを行ったりしそうですが、ある同級生が毎回授業で話す運用結果や経験談がぶっとんでいて凄くおもしろいとのことでした。

Hedge Fund Strategy(選択科目・3単位)

文字通りヘッジファンドを学ぶ、専門家向けの夜間授業です。ヘッジファンドに関して包括的に学ぶ授業のため、業界に興味のある人にしかお勧めができないそうです。教授陣は実際に20年以上の運用経験のあるベテラン2名で編成されており、まさにニューヨークにいるからこそ受けられる授業とのことです。教科書、講義形式で授業が進められますが、教授が実際に取り扱ったことをケースとして扱ったり、プロジェクトでは実際に学んだことを活かして市場の分析を行ったりするなど、アウトプットの機会もきちんとあるようです。

CFDA Masters WorkshopStern Signature Project
The Fashion Industry: Marriage of Creativity and Business(選択科目・3単位)の履修が必須

当該プロジェクトはStern Signature Projectのコンサルティングプロジェクトの一つで、ニューヨークのファッション業界のクライアントに対してコンサルティングを行う企画です。そもそもStern Signature Projectとは、学校主催で学校ごとに開催されているコンサルティングプロジェクトの総称です。ちなみに、学校が主催しているもう一つのプロジェクト、Stern Consulting Corpとの違いとして、Stern Signature Projectの方がより業界にフォーカスしていることが挙げられますが、どちらも最終的にクライアントに対して提言(レコメンデーション)を行う点では共通しています。ちなみに同プロジェクトはファッションブランドのビジネスに興味のある同級生が基本受講しており、なんと9割が女性とのことです。

プロジェクトの流れとしまして、①最初の授業でグループのアサイン、またクライアントとのマッチングが行われ、②学期を通じてクライアントの分析、レコメンデーションの策定を進め、③最終プレゼンでレコメンデーションを行う、以上の3点です。毎回授業の最初の時間帯、あるテーマについて軽くレクチャーを行うそうですが、グループワークやクライアントとのミーティングがベースになります。当プロジェクトを受講した同級生は、ある女性向けファッションブランドの成長戦略についてコンサルティングを行ったようですが、プロジェクトを通じてオペレーション、リテール、ファイナンシャルモデルなど幅広い分野に関わることができただけでなく、業界に精通したメンターから様々なアドバイスをいただけた点など、色々と勉強になったそうです。
 
写真は今学期使いそびれたものシリーズ、China Townです。