同級生の協力により成立している当シリーズも、今回でラストを迎えました。僕個人が2年間で取った授業も含めると、おかげ様で主要な授業はおおよそカバーすることができました。同級生には感謝し切れません。
・Private Equity Finance(選択科目・3単位)
PEについて学びたい場合、当校ではこの授業を受講することになります。PEの概念的な話から始まり、Due Diligence、LBOのモデリング、ポートフォリオ、Exiting、どのように利益を分配すべきかなど、関連テーマを網羅します。課題やグループワークの負荷はかなり重く、毎週かなりの準備が必要とのことですが、一方で実戦的な内容で学ぶことが多く、満足度は高いそうです。同級生に言わせると、個人的にはベストの授業とのことでした。
・Restructuring Firms and Industries(選択科目・3単位)
Law
Schoolと共催されている当校の人気授業の一つです。株価という指標を使いながら、資本構造、金融取引に関する諸テーマについて学びます。テーマは多岐に渡り、M&A、ターンアラウンド、PE、会社の組織構造、Labor、Take Over、スピンオフ、Activism、ファミリービジネスなど実に様々です。授業は最新のResearch
Reportを使いながら、講義ベースで進められます。中間テスト(任意)と期末テストで基本評価されます。ちなみに学生の比率ですが、MBA生とLaw Schoolの学生がそれぞれ半々とのことでした。
・Trading in Cash and Derivative Securities(選択科目・3単位)
2名の教授が担当する、トレーディングについて学ぶ授業です。前半は学者肌の教授が担当し、Market Efficiency、Arbitrage、Technical
Trading、Volatilityなどについて講義とゲストスピーカーによる講演で学んでいきます。一方、後半ではQuantsの部隊を経験している教授が担当し、実務的な内容にシフトします。ある与えられた条件の場合、いくら投資するか、リスクをどう管理するか、どう投資額をファイナンスするかなどについて、ケーススタディーをベースに学びます。宿題では与えられた条件を元に仮想トレーディングを行い、運用結果がよいかどうかで評価されます。
・Advanced Strategy: Tools(選択科目・3単位)
グループワーク中心の戦略系の授業です。各グループはそれぞれある業界内でROICの高い会社をピックアップし、その会社が競合他社に比べてROICが高い理由についてファイナルプロジェクトでまとめます。流れとして、①どうしてROICが高いのか仮説を立てる、②バックグラウンドデータを集めて検証する、③先生と面接して進捗を確認する、というサイクルを何度か繰り返しながらプロジェクトを仕上げていきます。そのため、コンサルティングプロジェクトの内容にかなり近い印象を受けました。ちなみにこの授業、おそらく教授のキャラによるものだと思われますが、特にアメリカ人の同級生の受講率が高い人気の授業です。
・Family Business Management(選択科目・3単位)
ファミリービジネスについて網羅的に学べるコースで、システムダイナミクス、ファイナンス、ガバナンスなど内容は多岐に渡ります。毎週ケース課題が出され、それを元にしたディスカッションを行いますが、この授業の特徴はそのあとにケースに登場している実際の人物のインタビューや講話がビデオで見られることです。そうしてケースにしっかり浸かった後に関連のセオリーが説明され、クラスが締めくくられます。フォーマットとして最も素晴らしく、学んだ手ごたえを感じさせられるクラスです、とのコメントをもらいました。
・Corporate Governance(選択科目・3単位)
Law
Schoolとの共催の授業で、授業名の通り、コーポレートガバナンスについて網羅する授業です。会社は誰のためにあるのか、というテーマから始まり、会社の取締役会の構造、Diversity、Culture、対投資家、CSRなどの話について学んでいきます。内容的には2年目の必修科目であるProfessional Responsibilityとも一部オーバーラップしている印象です。学びは多い一方で授業の負荷は重く、毎週200ページ前後、リーディングとケースを読み込む必要があるので要注意です。最後はチーム、個人でプレゼンテーションを行い、評価されます。ちなみに同級生にとって印象的だったのは、教授がアメリカ以外の地域の最新事情についても明るく、授業中随時紹介していたことだったそうです。
・The Strategist(選択科目・3単位)
Strategyのゲーム理論的な側面を学ぶために同級生が取りました。他人がいること、物事には常に2面性があることを前提に、Strategistとしてどのようなことを考え、行動すべきかについて学ぶそうですが、本人が学びたかったゲーム理論についてはあまり触れられなかったそうです。また、概念的なことが多かったそうですので、ケースを用いてガンガンディスカッションしたい人向けではなさそうでした。
・Retail Strategy(選択科目・3単位)
リテール業界関連の戦略系の授業です。元コンサルテントの教授が展開する授業です。各授業の前半はケースディスカッションに充てられ、GAP、Macy’s、UNIQLOなどの会社の事例を議論することができます。後半の時間帯はゲストスピーカーのプレゼンテーションに充てられ、業界の最新事情を知ることができます。もちろんプレゼン後にスピーカーとconnectすることもできますので、特に卒業後にリテール業界に進みたい人にとってはおすすめできるそうです。夜間に開催される授業で、今まさにリテール業界に働いている同級生ともconnectできるのも大きな利点だそうです。
・Pricing(選択科目・3単位)
Marketing、Economics、Data Analysis、Psychologyの側面から、どのように価格を決定すべきかについて学ぶ授業です。授業中のexerciseなどでベースとなるFormula(モデル)を学ぶので、ハンズオン系の授業で実戦的であるとのコメントをいただきました。ちなみに今学期は日本人の教授が担当、ゆっくりとした語り口調と人柄で学生から好評な教授とのことでした。
・Urban System(選択科目・3単位)
グループプロジェクトを通じて都市に関わる諸テーマを学ぶ授業です。授業の流れは、最近起こったニュースの話→リーディング→グループプロジェクトの順で、最後に毎週グループプロジェクトの進捗を報告し合います。リーディングでは世界の都市開発に関するケースを扱い、成功例、失敗例の両方を学びます。同級生はニューヨークのある地区の都市開発についてグループプロジェクトで調べることになったのですが、ニューヨークに関するデータは手に入りやすいため、プロジェクトの調査ははかどったそうです。同級生曰く、都市問題について何らかの問題意識がある、もしくは主体的に学びたいテーマがある方々への受講をおすすめするそうです。
・Sports Economics(選択科目・3単位)
スポーツという分野に関する経済的側面を学ぶ授業で、ミクロ経済学の教授が担当しております。アメリカの主要スポーツとヨーロッパサッカーのビジネスを通じて、Management System、Labor Marketなどの諸テーマを学び、グループプレゼンテーションと試験で評価されます。同級生がこの授業を取った理由としては、スポーツは経済の規模こそ小さいものの、人の心を掴むビジネスのなかで最たるものなので興味があったそうです。
・Data Mining for Business Analytics(選択科目・3単位)
Predicting
Modelingについて学べる授業です。生のデータからソフトウェアを使いながら必要なデータを抽出し、Modelingを行っていきます。毎週宿題が課されますが、教科書の内容をしっかりと理解しないと解けないため、宿題の事前準備、宿題の準備の両方で負荷が大きい授業とのことでした。一方ではグループプロジェクトもございます。MBAの同級生はあまりおらず、むしろデータサイエンスを扱っている他のプログラムの学生などが受講していたそうです。
・Decision Making Under Uncertainty(選択科目・3単位)
一言で言うとOptimizationについてハンズオンで学ぶブートキャンプ的な授業です。最適化する対象はサプライチェーン、ポートフォリオなど様々です。最適化の数値はモデルに計算式に入れればはじき出せるらしいのですが、適切な計算式を入力しないと正しいデータを得られないそうで、状況に応じてどのような計算式を入力すべきかを学んでいきます。
・Supply Chain Management(選択科目・3単位)
サプライチェーンについての概論を学ぶ授業です。サプライチェーン大好きな教授が展開する授業で、ケースディスカッションをベースにして(ZARAのケースなど)調達最適化について学んだり、Inventory Controlのシミュレーションに取り組んだり、サプライチェーンを構築するにあたり関税がどのように影響しているのか話を聞いたりしたそうです。あくまで概論について学ぶため、僕みたいに前職でサプライチェーンを扱っていた人間にとっては不要かもしれないとのコメントをもらいました。
写真については全く関係のない、グッゲンハイム美術館を載せてみました。
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