とにかく印象的だったのは、NYUに来て最も良かったこととして、アメリカ中心の物の見方、アメリカのビジネス中心で物事を考えるのが新鮮なだということを挙げたことでした。例えば「Business Drivers – Industry」という、アメリカの産業毎の主要企業の分析を行う授業では、毎回宿題としてグループごとに企業をアサインされてレポート(財務分析・戦略・市場など)を書くみたいですが、異なる会計基準(GAAP vs IFRS)、同じファクトに対する分析、考え方の違い、(そもそもの話)米国の産業のラインアップなど、授業だけでも学ぶことが多く有意義だと仰ってました。
もう一つ印象的だったことは、(当たり前の話かもしれませんが)学校のロケーションによってどうして地域性が出る話です。例えばアジアのMBAの場合、(HBSのケースを主体に勉強する点は一緒ですが)中国や香港などのアジア企業のケースを取り扱う比率が高めのようです。一方、米国のMBAではアジアに精通している教授は決して多くなく(知っていても古めの情報?)、最近の情報のアップデートについては生徒が補っている印象を受けたとのことでした。また、米国人のクラスメートがアジアに関して、思いつきでしゃべることもあったそうです。
ちなみに本論から外れますが、その話を聞いて思い出した極端な例があります。マーケティングの授業中、ある米国人の同級生がTimes Squareのスクリーンに流れている中国政府の広告について、「アメリカに対して中国が国威を見せつけるため(一種にプロパガンダのため)にアメリカの中心地に広告を出している。」というイメージを元にした発言をしたことに対し、すぐに中国系の同級生が「あの広告は米国を旅行中の中国人に対して、中国が国として強いことを示すために広告を出している。そもそも広告は全て中国語だし、何よりわざわざ高い広告費を払ってまでTimes Squareに広告を出しているのは、中国が世界の中心地で広告を出せる力があることを中国人に示すためだ。」と反論した場面がありました。
当たり前かもしれませんが、特定の地域(もしくは分野)を重点的に深めたい場合、やはり実際に現地に赴き体験することの必要さを感じた次第です。自分の身をその場に置くのと遠くから机上で学ぶのとは、理解度や吸収力の点で大きな差がある、とコメントされておりましたがその通りだと思いました。
色々とお話するうちに、正直それまで全く興味のなかった交換派遣留学が少し気になり始めました。あえてそれまでMBAを学んできた地域と異なる場所へ移り住み、異なる視点からビジネスを学ぶ経験が、自分の思っていた以上に得難そうな印象を受けたのです。もちろんMBA卒業後にどこで何をしたいのかにもよりますので、ニューヨークに2年間残る方がいいのか、自分のなかでよく考えてみたいと思います。
写真は現在Union Squareで開催されている(~12/24)クリスマスの風物詩、Holiday Marketです。活気あるマーケットでクリスマスギフトなどを取り揃えておりました。
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