Chipotleというレストランを知ったのは夏学期直後、当時は辛いもの好きな僕にとってスパイス補給基地という位置づけでしかなかったのですが(笑)、Strategyの授業のグループワークで扱ってから、実に面白い会社であることを知りました。聞いた話ですと、組織(人事)関連の授業でも会社を取り上げることがあるらしく、アメリカのビジネススクールではちょくちょく取り上げられている会社みたいです。
色々と戦略面で興味深いのですが、オペレーションをかじったことのある人間としては、特にDistributionとSupply Chainの戦略が印象深かったです。メニューはタコスやライスボールなど数種類で肉やトッピングの組み合わせが自由自在なのが特徴です。しかもメニューをフォーカスし20年間ほぼメニューを増やしていないため、購入する材料の種類を絞ってボリュームディスカウントを狙うことができるほか、材料のストック減、広告費減(期間限定メニューのために広告費を掛ける必要なし)、教育コスト減(新たに増えるメニューに対して社員を教育する必要なし)、など色々といい効果が出ているようです。
「Food with Integrity」のプランド力(できる限り新鮮な材料を地産地消する+自然に近い環境で育てられた家畜の肉を使用する)で客単価を引き上げていることなども興味深いのですが、何よりも個人的に凄いと思うのが、メニューを絞る戦略を20年間続けてきたことだと思います。(ビール会社の期間限定ビールではないですが)普通ですとメニューを絞り続ける勇気がなく、どこかで違うメニューを取り入れたくなる気がします。そんなわけでChipotle、秋学期で最も残った会社になりました。
非常にベーシックな話ですが、ビジネススクールでこうした各業界の事例に色々と触れられる(ケースの場合はさらに今度どのような戦略を取るか自分なりに判断する)ことも、限られた市場でしか仕事をしたことのないメーカー出身の僕にとってはプラスだと思っています。成功事例、失敗事例の引き出し、ケース内での意思決定の積み重ねが頭の片隅に残ることでさえも、間違いなく将来仕事をする上で財産になりそうです。
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