先日、学生クラブ「Stern Speaks」が主催した「Student Perspectives on
Ferguson and NYC」というイベントに参加しました。
今年8月、ミズーリ州ファーガソンで10代のアフリカ系アメリカ人の少年が射殺された事件で逮捕された警察官が先日不起訴処分になったことを受け、全米各地で抗議活動が展開されていますが、このイベントではアメリカの人種差別について学生同士で議論する趣旨で開催されました。イベントではクラスメート含めて3人がアフリカ系アメリカ人として育った体験談や事件に対する見解などについてスピーチし、その後Q&Aを通じて学生間で白熱した議論が展開されました。写真の通り、イベントが開催された定員200人の大教室は満員で立ち見が続出、しかもNYU SternのDeanを含め学校側からも多数のメンバーが参加、関心の高さが伺えました。
個人的に印象に残った点についてまとめてみます。
まず、20年前当時に伺った人種差別の体験談(幼少期に5年間アメリカに在住しておりました)と、今回3人のスピーカーが話してくれた体験談の内容があまり変わっていないことに驚きました。20年前当時より薄らいだ感はあるとはいえ、人種差別がアメリカ社会に根深く残っている現状を改めて感じました。参加者からは、「We should first keep the conversation going!」という声が多く上がりましたが、内面に深く刷り込まれた価値観を変えることの難しさを感じた一方で、過去20年間で少なからず前進があったのは、このような活動が根気強く続けられてきた積み重ねがあったからではないかとも感じた次第です。ちなみにある参加者が、「Allyは動的な動詞。アフリカ系以外の人も含めて人種差別の問題を共有し、議論することでAllyできる。」と語っていたことも印象に残っております。
次に印象に残ったことは、ビジネススクールで今回のようなイベントを開催する意味についてです。勉強不足でイベントに参加するまでその趣旨を理解しておりませんでしたが、ビジネススクールの学生の多くは将来の起業家やエグゼクティブの卵でということで、学生が将来雇う側に回る可能性もありますし、より社会に影響を与える経済活動を行う可能性が高いはずです。だからこそビジネススクールの学生が人種差別問題などの社会問題に関心を持ち、議論することに意味がある、今回のイベントにはそのようなメッセージがありました。今年初めてNYU SternでもDiversityに関するケースコンペティションが開催されたこともあり、学校全体としてこのテーマへの関心が高まっております。
期末試験期間中のイベントでしたが、時間を押して参加してよかったです。NYU Sternの同級生がこうした問題に高い関心を持っていることを知る機会になり、よりこのコミュニティーが好きになりました。
最後に、クラスメートのスピーチが秀逸だったことも付け加えさせて下さい。話の構成、アイスブレイク、アイコンタクト、話す姿勢など全体的に素晴らしく、難しいテーマをコミカルかつシリアスに話してくれました。お疲れ様でした!
0 件のコメント:
コメントを投稿